HPビジネスモデルと個人向けモデルの違い

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HPでは、PavilionやEnvyなどの個人向けモデルと、ProBookやEliteなどの法人向けモデルがあります。

法人向けと言っても個人でも購入できますが、個人使用であれば「個人向けモデル」の方がコスパも性能も高いので、特別な理由がない限り法人向けモデルを買うことは少ないと思いますが、細かな違いが分かりずらいかもしれません。

本記事では、ビジネスモデルと個人向けモデルのノートパソコンの特徴や比較をご紹介します。

ビジネスモデルと個人向けモデルの比較

2020年の世界ノートパソコン出荷台数の比較図Gatner.comより>

HPの2020年の出荷台数は5835万7000台で、世界シェアは21.2%と高く、世界で使われているノートパソコンの5台に1台がHP製になります。有名な会社ですね。

上の表はビジネスモデルと個人向けモデル合計の数字で、それぞれ以下の様な特徴があります。

ビジネスモデル 個人向けモデル
外観 全体的に大きめの筐体でずんぐりむっくりした機種が多い ビジネスモデルより小型でおしゃれ
素材 HPシリーズ(樹脂素材)以外はアルミニウム(マグネシウム合金もあり) 樹脂、もしくは樹脂+アルミニウム。EliteとSpectreはアルミニウム
スペック 比較的低いものが多かったが、2020年後半からスペックも上がってきた 最新のCPUなどをいち早く取り入れ、スペックは高いものが多い
セキュリティ HPシリーズ以外は、独自のセキュリティが多く搭載 Windows DefenderとTPMのみが基本的に搭載
サポート 日本でのビジネスサポートあり(電話やチャット、LINEなど)
月-金9:00-21:00
土9:00-17:00
通常サポート(電話やチャット、LINEなど)
月-金9:00-21:00
土9:00-17:00
保証 最長5年(引き取り修理・オンサイト修理) 最長3年(引き取り修理・オンサイト修理)
製造場所 東京生産モデルあり・そのほかは海外 基本、海外
価格 セキュリティとサポートが手厚い分、スペックの割に高め コスパ良し
アップデートサイクル 1機種につき2年ほど同じものが販売 1機種につき半年から1年でバージョンアップした機種がリリース
特徴 ・外観や最新スペックと言うよりも、サポートとセキュリティに重点を置いたモデルで、Thunderbolt搭載モデルも多い
・世界で一番安全なビジネスPCとうたい、12年連続国内シェアNo.1のワークステーションもあり
低価格~高価格モデルがあり、ポップな感じでおしゃれな色も多く、性能は高い。一部機種にはThunderbolt 4やLTEもあり

ビジネスモデルも個人向けモデルも種類が豊富で、エントリークラス、ミドルクラス、ハイエンドモデル、そしてグラフィックボード搭載モデルがあります。

個人向けモデル
Pavilion 一番人気のおしゃれ機種で、中価格帯
Spectre 個人向けHP最上位のモデルで、クリエイター向け
Envy 中価格~高価格モデルがあり、スペックが高い
HP 低価格モデルだが、意外にしっかりしたスペック
ChromeBook Chrome OSで比較的低価格
OMEN ゲーミングPCで動画編集者にも向いている機種。Pavilion Gamingモデルもあり
ビジネスモデル
HPビジネス 低価格ビジネスモデルでスペックは高めだが、ビジネスモデル特融のセキュリティがない
ProBook 低価格ビジネスモデルで、セキュリティがすごい!
Elite ハイエンドビジネスPCだが、2019年から新機種が出ていないので低いスペック
ZBook ワークステーションで、CADや動画・画像編集向けの機種

 

外観

法人向けでは、主に黒とシルバーがメインカラーになっています。個人向けモデルもシルバーがメインですが、ゴールドやピンク、白、ブルーなど多彩なカラーが用意されています。

こちらは左が法人モデルのHPシリーズで、右側が個人向けのHPシリーズです。両機種とも低価格モデルなので、ベゼル(画面の黒い枠)が太く、筐体も大きめです。

左が法人モデルのProBookで、右が個人向けのPavilionになります。Pavilionは人気のシリーズで、おしゃれなピンクやゴールドなどの色もあります。

ProBoookは新機種から筐体も小さくなり、おしゃれになってきましたが、旧モデルはずんぐりむっくりした筐体が多く、ベゼル(画面の黒い枠)も太いです。

左は法人向けのElite/EliteBookの筐体で、ハイエンドモデルなのでベゼルも細く、筐体が小さいものが多いです。右は個人向けのプレミアムモデル・Envyで、こちらも同じくベゼルが細くおしゃれなものや、ビジネスモデルっぽいものが多いです。

最後に最上位モデルです。左は法人向けワークステーションのZBookで、ワークステーションなので大きな筐体が多いです。右は個人向けモデルのSpectreで、13・14インチのモデルは小型軽量ですが、15インチはかなり大きく重いです。見た目もビジネスモデルっぽいですね。

 

スペック

ビジネスモデル 個人向けモデル
ディスプレイ ZBookは4Kあり、その他は主にフルHDだが、HPシリーズにはHDディスプレイもあり EnvyやSpectreは2K~4Kあり。その他は基本的にFHD
グラフィックボード ZBookにQuadro搭載モデルあり ゲーミングPCにGeForce搭載モデルあり
WiFi6 多くのモデルが対応 多くのモデルが対応
LTE HPシリーズ以外にあり いくつかの機種にあり
インターフェイス 多くのモデルでLANケーブル接続が可能、Thunderboltあり 多くのモデルで無線接続のみ、Thunderbolt搭載機種は少ないが一般的なインターフェイス
MILスペック ×

CPU性能などは、個人向けモデルの方が高いです。機種のアップデートサイクルも関係してくるのですが、個人向けモデルの方が「最新のCPUなどを取り入れる頻度が高く」、アップデートも速いのでこうなっています。

個人向けモデルは半年~1年でCPUのスペックが上がったモデルが販売されますが、ビジネスモデルは2年ほど同じものが販売されています。

また、ビジネスモデルは「必要最低限のスペック」を搭載している機種も多く、ビジネス用途でも普通に使えるが、パソコンの動作だけに焦点を置けば「個人向けモデル」の方がサクサク動く機種が多いと思います。

ただし、法人モデルにはLTEモデルも多いので外出が多い人は使いやすいし、Thunderbolt搭載モデルもあるので、大きなデータ移動がしやすいなどの、ビジネスを快適に行う機能が付いています。

MILスペックとは米軍の物資調達規格のことで、簡単に言うと「紛争地に持って行っても使える」耐久性がある機種になります。ただし、故障をしないことを保証しているわけではないので、あしからず。

HP MILテストの内容<MILスペックのテストの一例>

 

セキュリティ

HPビジネスモデルのセキュリティ

ビジネスモデル 個人向けモデル
主なセキュリティ Windows Defender, TPM, Sure Click, Sure Sense, BIOSphere, Sure Run, Sure Recover, Sure Start, Client Security Softwareなど Windows Defender, TPM

ビジネスモデルは「世界で最も安全なビジネスPC」が自慢で、HPシリーズ以外に独自のセキュリティが多く搭載されています。(詳細はこちらで確認できます)

個人もそうですが、法人にとって一番の脅威は「情報漏洩」だと思うので、この点にかなり力を入れています。HP Sure ClickやBIOSphere、Sure Clickなど万が一の時に役に立つセキュリティが搭載です。

個人向けも、同業他社と比べると若干良いかなと思います。と言うのも、普通はビジネスモデルにのみ搭載されるようなTPM(独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる)が全機種に搭載されており、Windows 10に標準搭載のWindows Defenderもあるので、普通に使う分には問題ないと思います。

 

サポート

HP個人向けモデルのサポート<サポートの一例>

法人モデル 個人向けモデル
コンタクト方法 電話、チャット、メール、LINE 電話、チャット、メール、LINE
時間 月-金9:00-21:00
土9:00-17:00
月-金9:00-21:00
土9:00-17:00
Elite Premiumサポート 一部機種のみあり
月-金8:00-21:00
土8:00-17:30
なし
期間 標準で1年間、最長5年。保証を延長した場合はその期間に準ずる 標準で1年間、最長3年間。保証を延長した場合はその期間に準ずる
サポート対応場所 日本 基本、国外

HPはサポートが手厚いと有名で、パソコン入門という使い方の冊子が同梱されており、また、「使い方サポート」という電話などで使い方を聞くことができます。

HP ビジネスモデルのサポート

上位サポートのElite Premiumサポートは、窓口が1つでたらいまわしをしない、熟練エージェントが対応など、より迅速に問題解決ができるようになっています。

私も個人向けのサポートを使ったことがありますが、中国人の方が対応でした。日本語は普通に上手で、敬語もしっかりした人でしたね。この時は不具合で相談したのじゃなく、「あれ?これできないの?」という何かの疑問だったのですが、ちょうど買い替えも検討していたので話していたら、後日割引クーポンが送られてきました。

また、専門的な事を質問すると、メールだと時間がかかる傾向があります。返信自体はすぐに来たのですが、「詳しく調べて再度連絡する」と言う内容で、次に来たのが1か月以上たっていました。(笑)

「コロナの影響で~・・・・」と言われていましたが、遅かったですね。急ぎじゃなかったのでメールにしたのですが、早い返答が欲しいなら電話がいいですね。

 

保証

法人モデル 個人向けモデル
保証内容・引き取り修理 ・アクシデントサポート付きオンサイト修理
オンサイト修理(翌日対応/当日対応)
・引き取り修理
・アクシデントサポート付き引き取り修理
・出張修理
期間 1~5年間 1~3年間

保証は似たようなものになりますが、法人向けモデルの方がより迅速に対応できるようになっています。

  • 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
  • 出張修理/オンサイト修理・・・家や事務所に来てその場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
  • アクシデントサポート・・・標準保証ではカバーされない水濡れや落下破損、盗難などに対応

保守拠点は国内に420か所以上あるので、修理も速いです。

 

製造場所

ビジネスモデルは東京で生産されるモデルもあり、その場合は「東京生産モデル」と書かれます。同じ機種でも全てが国内生産じゃなく、東京生産モデルと書かれたもののみになります。

東京の工場は、以前東芝の工場があった場所で、東京都日野市にあります。ここに、生産と物流の拠点を統合したことにより、安定した生産とスムーズな配送ができるようになりました。

その他は、個人向けも含め中国などの海外で生産されています。

 

価格

価格は、同等スペックの場合個人向けモデルの方が安いです。

前述したように、ビジネスモデルはサポートとセキュリティが高いので、その分割高になっています。

どうしても手厚いサポートと高セキュリティが必要な人であれば、ビジネスモデルは検討に値すると思いますが、サポートも普通でいいし、セキュリティは自分でソフトを入れるからと言う人であれば、個人向けモデルが良いと思います。

 

お勧めモデル

いくつかのお勧めモデルをご紹介するので、参考にどうぞ。機種名についている13や14、15と言う数字はインチ数を表し、2 in 1 PCとは下の写真の様にディスプレイを360度開くことができる機種です。

2 in 1 PCの各モード

全機種を調べたい場合は、こちらからどうぞ。

ビジネスモデル
Elite Dragonfly G2
HP Elite Dragonfly G2
最新11世代CPU搭載で、14型・989gとかなり軽い機種です。バッテリー駆動時間も長いのく、WiFi6にLTEにも対応。
ProBook 635 Aero G7ProBook 635 Aero G7 Ryzen 4000シリーズ搭載で、こちらもWiFi6にLTE対応モデルもあります。13型で約1㎏と軽く、持ち運びが多い人に便利です。
ProBook 430 G7HP ProBook 430 G7 第10世代CPU搭載なので比較的安く、しっかりとした性能のモデルもあります。バッテリー駆動時間が約15時間と長いのも特徴です。WiFi6にLTEもあり。
EliteBook x360 1040 G7HP EliteBook x360 1040 G7 14型2 in 1 PCとしては比較的軽い1.34㎏で、全てにおいてまともなスペックです。こちらもWiFi6にLTEモデルもあります
ZBook Fury 15 G7HP ZBook Fury 15 G7 Mobile Workstation ワークステーションとしては持ち運びもしやすく、Core i9も搭載できる超ハイスペックモデルです。動画編集やCADなどを使う人にお勧めです!
個人向けモデル
HP 15s-eqHP 15s-eq1000 ライトユーザー向けの機種で、コスパが高いです!Ryzen 5000シリーズも搭載可能でWiFi6にも対応しており、税込み6.5万円からです
Pavilion 13-bbHP Pavilion 13-bb0000 インテル11世代CPU搭載で、13.3型・1.3㎏と持ち運びがしやすい機種です。ただし、なぜだか本機種はWiFi6非対応です。
Pavilion 14-dvHP Pavilion 14-dv0000 最新の12世代CPU搭載で、WiFi6対応、指紋センサー付き、14型で1.4㎏と比較的軽量です。8.6万円からとなっています
Pavilion 15-eh0000HP Pavilion 15-eh0000(AMD) Ryzen 4000シリーズ搭載で、ハイスペック機種です。15型と大きいので、据え置き用として活躍します。
Pavilion 14-dw1000HP Pavilion x360 14-dw1000 11世代CPU搭載モデルもある2 in 1 PCで、14型にしては若干重たい1.65㎏ですが、使い勝手が高い機種です。WiFi6対応、LTE搭載モデルもあり
Envy 13-ba1000HP ENVY 13-ba1000 11世代CPU搭載で、最高峰の内蔵グラフィック・Iris Xe搭載、GeForce MX450搭載モデルもあるクリエイターにも向いている機種です。4K UHDディスプレイもあり
Envy x360 13-bd0000HP ENVY x360 13-bd0000 11世代CPU搭載で、WiFi6対応、Thunderbolt 4も搭載のハイスペック機種です。13型で1.24㎏と軽量、バッテリー駆動時間は11.5時間と長めです
Envy 15-ep0000HP Envy 15-ep0000 個人向けモデルで最高のスペックがある本機種は、Core i9にRTX 2060も搭載可能です。4K UHDディスプレイもあり、画像・動画編集などをするクリエイター向けです
Spectre x360 15-eb1000HP Spectre x360 15-eb1000 最新の11世代CPUのCore i7搭載で、4K UHDディスプレイにWiFi6、Thunderbolt 4と最高の環境で使えます。
Spectre x360 13-aw2000HP Spectre x360 13-aw2000 13型で1.24㎏の軽量モデルで、FHDディスプレイですがWiFi6にTunderbolt 4も搭載と、ビジネス用途で使いやすいモデルです。また、価格が12万円からとSpectreにしては安いのも魅力です。

 

まとめ

ビジネスモデルも個人向けモデルも一長一短がありますが、基本的にこういった選択になると思います。

  • 高度なセキュリティ・サポートが必要なら、ビジネスモデル
  • 企業として一括で多くのパソコンを買うなら、ビジネスモデル
  • セキュリティやサポートは普通でよいなら、個人向けモデル

個人的にそこまでセキュリティにこだわっていないので(普通並みにはやっていますが)、こういう人であれば、やっぱり個人向けモデルが安いし、使いやすいと思います。

ただし、ビジネスモデルにはDragon Flyなどの特殊な機種もあるので、セキュリティは必要ないけどこの機種が欲しいとなる場合もあると思います。