Lenovoのノートパソコンで最も人気の高い2機種・ThinkPadとIdeaPadですが、簡単に言うと違いはビジネス用途のパソコンか、家庭用かという事になります。
まぁ、厳密に言うと家庭用パソコンでも仕事が出来るので語弊がある言い方ですが、ThinkPadはシステムやセキュリティもビジネスに必要なより強固なものだし、キーボードの質も違うしと、細かな違いもあります。
私はThinkPad E15 Gen 2を仕事用に最近購入しましたが、それまではメインにIdeapad s540を仕事兼動画編集に使っていました。(外出用なども合わせると、5台のLenovoパソコンがあります)
どちらも使っているので、詳細な違いをご紹介します。
Contents
IdeaPadとThinkPadの違いは?
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ThinkPad | IdeaPad | |
用途 | ビジネス用 | 家庭用(一般用) |
価格 | 約6万円~30万円以上 | 3万円台~15万円くらい |
カラー | 黒 | グレー・シルバー |
性能 | 中~最高 | 低~高 |
OS | Windows 10 Home/Pro | Windows 10 Home |
セキュリティ | Windows Defender、TPM、FIDO、セキュリティキーホール、ハードディスクパスワード等 | Windows Defender |
ディスプレイ | HD,FHD,WQHD,UHD | HD,FHD |
キーボード | キーストロークが2㎜前後と深く、打感が良い | 普通 |
外観 | ビジネス用途っぽいお堅い感じ | ポップでおしゃれなモデル |
インターフェイス | ドッキングステーション LANポート USB HDMI/Display Port メディアカードリーダー その他 |
USB HDMI/Display Port メディアカードリーダー その他 |
思いつく限りの両機種の違いを上の表にまとめました。
ThinkPadはビジネスモデルなのでセキュリティが半端なく付いているし、自宅や事務所で使う時にモニターやマウスなどを使う人も多いのですが、その時に配線を一つづつ抜き差ししなくてもいい様にドッキングステーションを使えるモデルもあるのが特徴です。
また、キーボードの質には大きな違いがあります。これはIdeaPadに限った話じゃなく、どこのパソコンメーカーのキーボードと比べてもThinkpadのキーボードは抜き出ているんですね。
それでは各項目の違いを詳しくご紹介します。
外観の比較
<ThinkPadの外観>
<IdeaPadの外観>
2つの外観を比べてみると、やっぱりThinkPadは黒だからでしょうか、「出来るビジネスパーソン」が使っていそうな見た目ですね。IdeaPadは高級感のあるシルバー(またはグレー)なので、万人に合うモデルです。
私はシルバーのパソコンが良かったので長らくIdeaPadシリーズを使っていたのですが、妻が仕事で使うThinkPadを一度使ってみたら「タイピングがめちゃくちゃしやすかった」ので、ここ最近家で使う執筆用に購入しました。
「この記事ですか?これはThinkPadで書いています」
だってタイピングのしやすさが雲泥の差ですから。
キーボードの比較
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ThinkPadのキーが若干湾曲しているのが見えますか?これもタイピングがしやすい要因の一つなのですが、指にフィットするんですね。また、打感がすごく良いので、タイピングもサクサクできます。
通常のノートパソコンは、キーストローク(キーを押したときの押し込み距離)が1㎜~1.4㎜くらいで浅いんです。ThinkPadは2㎜前後と深く押せるので、押しごたえがあり、適度な重さがあります。
例えて言うと、普通のパソコンは「カチャカチャ」軽い音で、ThinkPadは「タッタッタッ」と重い音です。
また、真ん中にある赤いボタンはトラックポイントと言って、カーソルを動かしたりできるんです。なので、指がホームポジションから離れずにパソコンを操作できます。このおかげで、作業時間の短縮になっています。
しかもThinkPadシリーズはキーボードがUSキー(英語配列)かJISキー(日本語キーボード)が選べるので、プログラマーなんかはUSキーを選ぶし、私もショートカットなどが使いやすいのでUSキーを選んでいます。
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IdeaPadのキーボードは打感も普通なので、悪くないです。ThinkPadを使ったことが無かったらどのパソコンも似た様なキーなので、タイピングしやすいとかタイピングしにくいとか思うことはあまり無いと思います。
性能の違い
性能は機種にもよりますが、ほとんど同じ種類のメモリやストレージが使われています。若干違うのは、CPUの性能になります。
CPUはパソコンの頭脳になるので、重要なパーツになります。
CPU | ThinkPad | IdeaPad |
Intel | Celeron Core Uシリーズ Core Gシリーズ Core Hシリーズ(vPro対応) 11世代CPU |
Celeron Pentium Core Uシリーズ Core Gシリーズ 11世代CPU |
AMD | Ryzen3000シリーズ Ryzen4000シリーズ Ryzen Pro3000シリーズ Ryzen Pro4000シリーズ |
Ryzen3000シリーズ Ryzen4000シリーズ |
赤文字のシリーズはゲーミングPCに使われるようなハイスペックCPUで、ThinkPadのみに使用されています。ただしIntel coreのHシリーズが使われているThinkPadは、X1 Extremeのみになるので、Intelに限って言えばIdeaPadのCPUと差はありません。
一般的なノートパソコンに使われるCPUは末尾がUで終わる省電力モデル(例Intel core i3-10110U等)ですが、2020年モデルからIdeaPadでも性能がより高いGシリーズ(例・Intel core i3-1005G1等)が使われるようになってきました。
また、IntelにもAMDにもProモデルがありますが、簡単に言うと法人向けの機能が搭載されたプロセッサーになります。セキュリティがより強固になったモデルです。
「どちらが性能高いの?」と聞かれたら最高値はThinkPadですが、仮にCore i3のThinkPadとCore i7のIdeaPadだったらIdeaPadの方が性能が高いので、どちらのシリーズが上とか下というわけじゃありません。モデルによって変わります。
また、年々CPUの性能は上がっていて、個人的にはオーバースペックなんじゃ?という機種も多いですね。
ノートパソコンで超高性能CPUを使っても冷却が上手くできないと熱くなって性能が落ちる(クロック数が落ちる)ので、普通に考えてIntel core Uシリーズ(Ryzen3000, Ryzen4000シリーズ)で十分な場合がほとんどですよね。
OS
OS(オペレーティングシステム)は、ThinkPadはWindows 10 HomeとPro、IdeaPadはWindows 10 Homeになります。
これも先ほどのCPUの場合と同じなのですが、Proはセキュリティが強化され、遠隔操作やWindowsのカスタマイズに必要な機能などが搭載されています。
ThinkPadはビジネスモデルとは言え、Windows 10 Proを使っている個人はそこまで多くないんじゃないかな?と思います。企業のシステム管理や運営をする場合は、Proを選んでいると思います。
ただし、WindowsはMicrosoft storeでアップデートできるので、IdeaPadを使っていても必要であればWindows 10 Proに変更が出来ます。
セキュリティ
セキュリティは雲泥の差があります。
ThinkPad | IdeaPad | |
Windows Defender | 〇 | 〇 |
TPM | 〇 | X |
FIDO | △ | X |
セキュリティキーホール | 〇 | X |
ハードディスクパスワード | 〇 | X |
Privacy Shutter | 〇 | △ |
Privacy Guard | △ | X |
スーパーバイザーパスワード | 〇 | X |
OPAL | △ | X |
(〇は搭載、△は機種によっては搭載、Xは搭載無し)
各セキュリティの詳細は下記のレビューページで解説しているので今は省きますが、見て分かるようにThinkPadはセキュリティがかなり強固になっています。
データなどが絶対に流出してはいけない人(まぁ、全員そうですが・・・)は、ThinknPadを選びます。
ただし多くのセキュリティは搭載されていますが有効化されていないので、自分で設定をしなくてはなりません。
ディスプレイ
ディスプレイはIdeaPadはHD、FHDで、ThinkPadはHD,FHD,WQHD,UHDになります。ただし、最近のモデルにHD画質のディスプレイはあまりありません。
HD | ハイディフィニション、解像度1366x768 |
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FHD | フル・ハイディフィニション、解像度1920x1080 |
WQHD | ワイドクワッド・ハイディフィニション、解像度2560x1440 |
UHD(4K) | ウルトラ・ハイディフィニション、解像度3840x2160 |
HDR | ハイダイナミックレンジの略で、色彩が鮮やかな液晶 |
FHDディスプレイを選べば高画質なので困ることは無いですが、画像のリタッチなどをする人はWQHDもしくはUHDを選ぶ場合が多いです。中にはFHDでHDRのものもあるので、その場合は色域も鮮やかですね。
基本的にIdeaPadの液晶はsRGBやAdobe RGBの色域が狭いので、表示されている色彩と実際の色彩が合わないことが多いと思います。
と言っても、ここまでこだわるのはプロ(もしくは勉強中の人)のみなので、リタッチの練習など初心者が使う場合はどちらの機種でも良いと思います。初心者で続くか分からない時に、20万30万のパソコンは買いにくいと思うので。
インターフェイス
インターフェイスとは、パソコンの側面にあるUSBポートなどの総称です。
基本的にどちらの機種でもUSB Type-A、Type-Cがあり、HDMIやDisplay Portジャックがあるのでほとんど同じです。
ただしLTEやドッキングステーション、Thunderboltを使う場合は、ThinkPadになります。
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ドッキングステーションやThunderboltとは、例えばオフィスで使う時にHDMIでモニタに接続し、有線LANケーブルも差し、有線マウスにキーボードなどを使う場合、外出が多いと全てのケーブルを抜かなくちゃいけないのですが、こういったコネクタがあれば装脱着が簡単にできるので、ビジネスシーンで使う人はそこそこいます。
サポート・保証
Lenovoでは全機種に標準サポートとして、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、IdeaPadは最長3年、ThinkPadは最長5年まで延長できます。標準サポートは朝9時から夕方6時までで、通常、第1第3日曜日が休みです。(月により祝日も休み)
また、標準保証で「1年間引き取り修理」があり、Thinkシリーズのみ「オンサイト修理」と「プレミアサポート+翌日オンサイト修理」という保証やサポートにアップグレードできます。
「オンサイト修理」は万が一の時にPCをLenovoの工場に送ることなく、技術員が直接家や会社に来て修理をしてくれるので、セキュリティ的にも安心だし楽です。
プレミアサポートは24時間365日、ハイスキルな専任エージェントが対応してくれるもので、IdeaPadではPremium Careと言うサポートが同じ内容になります。
まとめ
ThinkPad | ビジネスに必要なセキュリティやインターフェイスがあり、超高性能機種もある。ディスプレイも最高4K画質まで選べるので、クリエイターにも使いやすい機種。 唯一の欠点は、黒一色でお堅いイメージの外観 |
IdeaPad | カジュアルで誰にでも合う外観。性能もビジネス用途でがっつり使えるCore i7(Ryzen 7)があるので、高性能。安い機種は3万円台からあるので、とりあえずパソコンが必要な人やあまり使わないけど必要といったライトユーザーでも購入しやすい。 ディスプレイはFHDまでしか選べないので、クリエイターには不向き。 |
資料作成が多い人や、画像編集、超高性能PCが必要な人はThinkPadシリーズの方がラインナップも多いし、価格も高い(=性能も高い)ものが多いのでおすすめです。特に、一日6時間、8時間、10時間など長時間タイピングする人は、ThinkPadにすると大きな恩恵を受けることが出来ると思います。
IdeaPadでも高性能CPUがあるので、ほとんどの用途で困る事は無いと思います(実際私はIdeaPad s540で一日10時間以上・1年弱やっていましたが、性能が足りないと思ったことは無いです)。
人気・おすすめ機種
ThinkPadおすすめ機種はこちらで、IdeaPadおすすめ機種はこちらで確認できますが、特に人気の機種を紹介します。
まずはThinkPadシリーズです。
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Lenovo史上最軽量の907gと軽く、11世代CPU搭載・Evoプラットフォームなので全てが高速に動き、持ち運びも楽です。その上、バッテリー駆動時間は22.9時間と長いので、充電アダプターの持ち運びは必要ないです。 レビュー |
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ゲームに仕事に、動画編集や3DCADなど専門職向けのワークステーションで、NVIDIA GeForce RTX 2070SかRTX 2080Sが選べます。GeForce搭載モデルでは、1,2位を争うTOPオブTOPの性能です。 レビュー |
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筆者も購入した機種で、価格も6.4万円からとお手頃な15型ビジネスノートになっています。はっきり言って、値段以上に高性能です。 2020年8月現在で、この機種を上回る高コスパの機種は無いと思います。 レビュー記事 |
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上で紹介したE15の14型で、インテル11世代CPU搭載モデルです。6.9万円からThinkPadを味わえる機種で、コスパ最強のビジネスノートです。 レビュー |
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Lenovo最高峰モデルで、グラフィックボード付きのモデルです。必要な機能は全てあると言っても過言じゃない機種で、最強ビジネスノートになっています。 |
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小型軽量モデルで、14型なのに10.9㎏、バッテリーも約20時間持つパワフルノートです。外出が多い人向けの機種になります。 |
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遊び心が効いた2 in 1 PCで、ビジネスにもプライベートにも活躍する機種です。アクティブペン付きなので、タブレットモードで会議のメモを取ったり、学生なら講義のメモを取ったりといろんな状況で使える機種です。 |
Ideapadシリーズです。
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私が使っているIdeaPad S540の後継機種で、第11世代CPU搭載で性能も高くなっており、ベゼル(画面の黒い枠)が極細の機種です。 こんなにおしゃれで高機能なパソコンはあまりないな、と言うくらいおしゃれな機種で、14型と15型があります。レビュー記事 |
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5万円から購入できるSlim 350iは、上で紹介したSlim 550iとほぼ同じ性能で第11世代CPU搭載ですが低価格になっています。両機種の違いはディスプレイで、本機種にはTN液晶と言う視野角が狭いものが使われています。横から画面を見た時に、若干薄暗く見えるのが特徴です。とは言ってもFHDなので、画質は良いですよ。 |
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筆者も購入した機種で、2020年7月の発売当初から欠品続きの超人気機種です。14型と15型があり、CPUもIntelとAMDの2種類があります。 2 in 1 PCなので使ってて面白いし、何と言ってもパソコンがサクサク動きます。同梱のペンは4096段階の筆圧を感知し、傾きも検知します。在庫があれば是非購入したい機種です。 レビュー(AMD)・レビュー(Intel) |
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筆者購入機種で、IdeaPadで一番性能が高い機種になります。グラフィックボードのNVIDIA GeForce GTX 1650が搭載できるので、動画編集も出来るし、3Dゲームもプレイできます。 筆者の仕事兼動画編集用として1年弱使ってきましたが、性能も高くサクサク動きます。レビュー記事 |
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3万円台から買える機種なのに画面の黒い枠(ベゼル)も細く、CPUも低いものから高いものまで選べるので、用途によって性能を選べます。 比較的高性能のRyzen 3モデルは4.3万円からとこちらも安いので、初めてのPCや、とりあえず1台家にないと困るという人におすすめです。レビュー記事 |
最後に
個人的にはIdeaPadもThinkPadも使っているので、「どちらか一方を選べ」と言われたら難しいですが、おしゃれなPCが良かったらIdeaPadを、仕事の生産性を上げたいという場合はThinkPadを選ぶとよいと思います。
ThinkPadの全種類を確認する場合は、こちらからどうぞ。
IdeaPadの全機種を確認する場合は、こちらからどうぞ。