Lenovo ThinkStation(ワークステーション)全機種の特徴と比較レビュー

ワークステーションのThinkStationは、CADと3DCAD、CAEを使う人や、解析を行う人や企業、映像クリエイターなど向けの機種です。

安いモデルは10万円弱からあり比較的手ごろな値段ですが、高いモデルはウン百万円するものもあります。

スペックも高く、セキュリティも豊富、信頼できる機種がThinkStationです。

ThinkStationの特徴

Lenovo ThinkStationの特徴

Lenovoのワークステーションは、大掛かりなもので言えば「エネルギー開発や複雑なシミュレーション」などの大規模データ処理にも向いており、地球物理学の研究などにも使用されています。

他にもCADやCAE、CAM、CASなどの設計やエンジニアリングシミュレーション、映像クリエイター(映画や放送の編集からビデオゲーム開発、VRやARコンテンツ作成など)など多岐にわたる業種に合うワークステーションなんです。

個人向けのスペックから企業向けのスペックまで幅広くあるので、多くの人に合う機種です。

また、一部の機種はNECの米沢事業所で生産されているため、最短5営業日での配達も可能です。急いでいるときは助かりますね。

故障率

Lenovoワークステーションの故障率

こちらのグラフは2019年のテクノロジー調査会社TBRによる、欧米の449人のIT管理者、計50万台以上のデスクトップとノート型ワークステーションを対象にした調査結果で、「Lenovoは製品導入後3年間、業界平均の故障率を下回った唯一のベンダー」になります。

ちなみに、多くのPCメーカーはEMS(電子機器受託生産会社)に生産を委託している中、Lenovoは自社生産で生産技術の向上と蓄積に取り組んでいるため、業界水準を以下の故障率だということです。

ISV認証

ISVとは(Independent Software Vendor)の略で、独立系ソフトウェアベンダーを指し、業界向けのアプリケーションを制作している企業の事です。ISV認証とは、ベンダーがワークステーションをテストし、高いパフォーマンスを提供した機種のみ取得可能な認証で、アプリとの互換性や安定稼働などもチェックされています。

LenovoのワークステーションはこれらのISV認証を取得しており、安心して使うことができます。

Lenovo Workstation ISV認証確認方法

購入前に、ISV認証確認ページ(英語)で調べることができ、「Certified(認証済み)」や「Recommended(おすすめ)」などのステータスを確認できます。上の画像はThinkStation P520で「Autodesk 3ds Max」で検索した結果ですが、「Recommended」と表示されています。

基本的にほとんどのメジャーなソフトは認証されていますが、購入前に確認してみてもいいと思います。

カスタマイズがしやすい

Lenovo ThinkStation P920の筐体内部

ThinkStationの大きな特徴として、カスタマイズがしやすいというのがあるのですが、基本的にツールフリーで筐体内部にアクセスできます。ねじを外したり、ドライバーを使ったりしなくていいんです。

写真はThinkStation P920の筐体内部ですが、側面パネルはずらして取り外せ、筐体内部には赤線で印があるので、カスタマイズや取り換えをするときにどこを触ればいいか一目でわかるんです。しかも、各コンポーネントは赤線部分を開けるだけでOKです。ちなみに、マザボもツールフリーでアクセスできるし、電源なんかもモジュールを差し込むだけで、交換可能です。

また、Flexベイ/FLEXモジュールは光学ドライブを搭載したり、メディアカードリーダー、eSATAポートなどを増やせたり、FLEXトレイは3.5インチまたは2.5インチのストレージなどを増設できたりします。

基本的に、公式サイトからクリック一つでカスタマイズできるので、簡単にスペックアップができます。

注)古い機種やTinyなどの一部の機種には上記が当てはまらないことがあります

セキュリティ

ワークステーションなので他の機種とは違ったセキュリティがあり、堅牢性が高いです。こちらは一部ですが、こういったセキュリティが搭載されています。(一部機種はオプションで搭載可能)

  • TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
  • ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでパスワードを設定できるので、パソコン内部のデータが盗み見られる可能性がかなり減ります
  • Kensingtonロック・・・パソコンが持ち出されないようにロックするワイヤー設置する個所
  • USBロック・・・USBポートを外部USBデバイスからロックする。パスワードを入れて解除できます
  • OPAL・・・自己暗号化ドライブ。データが流出した時など、暗号化されているので解読されにくいという特徴があります。
  • シャーシ イントルージョン スイッチ・・・筐体へのアクセスを記録できる(誰かが勝手に開けて内部を触っても分かる)

スペック

ThinkStationはP以降の数字が大きい方が基本的に筐体も大きく、高いスペックになります。また、数字が大きな機種の方が、電源も大きくできます。

CPUは基本的にインテルXeonが搭載可能で、下位のモデルはCore i3-10100から搭載可能です。P620のみAMD性能プロセッサーが搭載で、最強・64コア128スレッドのThreadripper Pro 3995WXが搭載可能です。

基本的に、ワークステーションにはAMD社のCPUが使われることが少ないです。互換性や安定稼働の面でIntelモデルが大多数を占めます。

搭載可能なCPUの数があまりに膨大なので、ここでは紹介せずに各機種のレビュー記事にて紹介しています。大雑把に分けるとこんな感じで、上から下に行くにつれて性能が下がります。

  1. Xeon Platinum
  2. Xeon Gold
  3. Xeon Silver
  4. Xeon Wシリーズ
  5. Core i9
  6. Core i7
  7. Core i5
  8. Core i3

これプラスAMD Threadripperになります。最低でCore i7-10700以上を選んでいたら、性能は高いです。

メモリはECCメモリが搭載で、「メモリ上で発生したシングルビットエラーの検出に対して訂正を可能とするメモリ」で、サーバー向けPCやワークステーションではほぼすべてECCメモリが搭載です。

グラフィックボードは、通常のパソコンにはGeForce(3Dゲーム/DirectXに最適化)が使われますが、本機種ではQuadro(CADなどの専門的な高度な技術計算/OpenGLに最適化)が搭載です。業務用で使用されるグラフィックボードが搭載で、より本格的な作業が可能です。

サポート・保証

Lenovo プレミアサポート

ThinkStationでは全ての機種で3年間のオンサイト修理保証と、プレミアムサポートが標準で付いています。

・翌営業日オンサイト修理・・・万が一の場合はエンジニアが通常、翌営業日に直接伺って修理をし、保証期間内であればパーツ代は無料
・プレミアサポート・・・専用コールセンター(24時間365日!)にて専任エージェントがサポートしてくれる

最長で5年まで延長でき、他にも修理交換した際の「ハードディスク返却不要サービス」や、パフォーマンスやネットワークの最適化などをする「Vantage Smart Performance Services」もあります。

全機種の比較

特徴
P340 Tiny Tiny(タイニー)と名が付くだけあり、かなり小さい筐体。電源が小さいためハイスペックには向いていない
P340 SFF 小型モデルで同じく電源が小さい
P340 Tower ミニタワーでエアフローも上記2機種よりは良いが、あまりハイスペックにはしない方が吉
P520C 電源もそこそこ大きく、個人使用であれば十分な人が多い
P520 CPUの性能も高く、メモリは最大512GB、ストレージもかなり大きく、電源も大きい
P620 Threadripper搭載のモンスターPC
P720 タワー型PCでハイスペック。Xeon2枚搭載可能
P920 フルタワー型に近い大きな筐体で、Lenovo最高性能

各モデルの大きな違いは、基本的にP以降の数字が大きい方が筐体も大きく、スペックも高いです。

筐体が大きいとエアフローも良くなるし、ベイの数も多くなるのでより多くのストレージを搭載できたり、大きな電源を搭載できたりと良い事だらけです(価格が高くなるというデメリットもありますが・・・)。

また、パソコンで電源はすごく重要なので電源のことを何度か言及しましたが、電源が大きいとより高いパフォーマンスを発揮できるし、パソコンの寿命も長くなるので、電源の大きさを選べる場合は大きめの電源を選んだ方が良いです。

ThinkStation P920

Lenovo ThinkStation P920Lenovoワークステーションで最強最高性能の本機種は、Xeonを2枚搭載でき、メモリも最大1024GB、グラフィックボードに至っては最大5枚(P400)も搭載可能です!これ以上は望めないじゃないか?ってくらい、完成されたモデルです。

CPU Intel Xeon Silver x2(2つ搭載)
Intel Xeon Gold x2(2つ搭載)
Intel Xeon Platinum x2(2つ搭載)
メモリ ECCメモリ最大1024GB
ストレージ M.2スロット<9xM.2 SSD(オンボードx2,PCIex x7)>
ドライブベイ<4×3.5 HDD/SSD>
Flexベイ<2×2.5インチHDD/SSD>
チップセット インテルC621
グラフィックス NVIDIA Quadro P400/600/620/1000/2200/
NVIDIA Quadro RTX /4000/5000/6000/8000
NVIDIA Quadro GV100
電源 最大1400W
寸法(W/D/H) 200 x 620 x 440㎜
価格 約29万円~

レビュー

公式サイト

ThinkStation P720

Lenovo Thinkstation P720P920よりも若干筐体が小さく電源が最大1000Wになっていますが、同じくXeon 2枚搭載可能でメモリは最大768GB、小さなグラボなら複数枚搭載可能です。P920は大きな筐体なので場所を取りますが、スペースの関係上少し小さな筐体が良いという場合は、本機種の方が設置しやすいと思います。ただし、若干小さな筐体と言ってもタワー型なので小さくはないです。

CPU Intel Xeon Silver x2(2つ搭載)
Intel Xeon Gold x2(2つ搭載)
メモリ ECCメモリ最大768GB
ストレージ HDD SATA最大10基
SSD最大10基
チップセット インテルC621
グラフィックス NVIDIA Quadro P400/600/620/1000/2200/
NVIDIA Quadro RTX /4000/5000/6000/8000
NVIDIA Quadro GV100
電源 最大1000W
寸法(W/D/H) 175 x 485 x 446㎜
価格 約26万円~

レビュー

公式サイト

 ThinkStation P620

Lenovo Thinkstation P620CPUはあのAMD Threadripperで、最小でも12コア24スレッドの3945WX、最大で64コア128スレッドの3995WXが搭載可能です!夢のようなプロセッサーですね。メモリは最大512GB、グラボも複数枚搭載できる優れものです。筐体はP720より、幅1㎝、奥行き2㎝小さいだけです。

CPU AMD Threadripper Pro
3945WX/3955WX/3975WX/3995WX
メモリ ECCメモリ最大512GB
ストレージ 3.5インチHDD SATA最大5基
SSD最大11基
チップセット AMD WRX80
グラフィックス NVIDIA Quadro P620/1000/2200/
NVIDIA Quadro RTX /4000/5000/6000/8000
AMD Radeon Pro W5500/W5700/WX3200
電源 最大1000W
寸法(W/D/H) 165 x 460 x 446㎜
価格 約30万円~

レビュー

公式サイト

ThinkStation P520

Lenovo Thinkstation P520ここからは搭載可能CPU1枚になりますが、Xeon搭載でグラボも複数枚搭載可能とハイエンドワークステーションです。比較的手ごろな価格から購入が可能で、個人利用としては本機種がコスパ的に良いと思います。

CPU Intel Xeon Wシリーズ
メモリ ECCメモリ最大512GB
ストレージ 3.5インチHDD SATA最大4基
SSD最大10基
チップセット インテルC422
グラフィックス NVIDIA Quadro P400/620/1000/2200/
NVIDIA Quadro RTX /4000/5000/6000/8000
NVIDIA Quadro GV100
電源 最大1000W
寸法(W/D/H) 165 x 460 x 400㎜
価格 約18.5万円~

レビュー

公式サイト

ThinkStation P520C

Lenovo Thinkstation P520C一つ前に紹介した機種の兄弟機種で、「C(コンパクト)」モデルになります。コンパクトだけどメモリは最大256GB、グラボも最大2枚搭載可能と高い性能ですが、電源が625Wと大きくないためほどほどの性能にするのであれば、本機種はコスパが高いです。

CPU Intel Xeon Wシリーズ
メモリ ECCメモリ最大256GB
ストレージ HDD 最大4基
SSD最大4基
チップセット インテルC422
グラフィックス NVIDIA Quadro P400/620/1000/2200/
NVIDIA Quadro RTX /4000/5000
電源 625W
寸法(W/D/H) 175 x 426 x 376㎜
価格 約16.2万円~

レビュー

公式サイト

ThinkStation P340 Tower

Lenovo Thinkstation P340本機種はXeon以外に、Core iシリーズも搭載できるエントリークラスのワークステーションです。とは言え、Xeonも搭載可能、メモリ最大128GB、Quadro RTX 5000も搭載できるので、ミドルクラスにもなります。電源が最大500Wと小さめなので、ほどほどのスペックにするのが良いと思います。

CPU Core i3-10100
Core i5-10400/500/600
Core i7-10700/700K
Core i9-10900/900K
Intel Xeon Wシリーズ
メモリ メモリ最大128GB(通常版・ECCメモリあり)
ストレージ 最大 約16TB
チップセット インテルW480
グラフィックス NVIDIA Quadro P400/620/1000/2200/
NVIDIA Quadro RTX /4000/5000
電源 最大500W
寸法(W/D/H) 170 x 315.4 x 376㎜
価格 約11.1万円~

レビュー

公式サイト

ThinkStation P340 SFF

Lenovo Thinkstation P340SFF小型ワークステーションで、省スペース、それでいてそこそこ高い性能にできるので、あまりスペックを必要としない機種をお探しなら本機種と次に紹介するTinyはうってつけです。「スペックを必要としない」と言っても、本機種はワークステーションなので、一般的なデスクトップと比べるとかなり高い性能ですが。机上にも置けるほどのサイズなので、置き場所に困ることは無いと思います。

CPU Core i3-10100
Core i5-10400/500/600
Core i7-10700
Core i9-10900
Intel Xeon Wシリーズ
メモリ メモリ最大128GB(通常版・ECCメモリあり)
ストレージ 最大 SSDx2枚+HDD x2基
チップセット インテルW480
グラフィックス NVIDIA Quadro P400/620/1000
電源 最大380W
寸法(W/D/H) 92.5 x 309.7 x 339.5㎜
価格 約11.4万円~

レビュー

公式サイト

ThinkStation P340 Tiny

Lenovo Thinkstation P340 tinyお弁当箱サイズ(より若干大きいですが)の筐体で、XeonやECCメモリはありませんが、メモリ最大64GBにQuadro P1000も搭載できるので、CADや簡単な映像編集などの用途に使えます。かなりの省スペースなのでどこにでも置ける、筐体を隠せば顧客や来訪した人が「使ってみるPC」としても活躍します。

CPU Core i3-10100/10100T
Core i5-10400/400T
Core i7-10700/10700T
Core i9-10900/10900T
メモリ メモリ最大64GB
ストレージ 最大 SSDx2枚
チップセット インテルQ470
グラフィックス NVIDIA Quadro P620/1000
電源 最大230W
寸法(W/D/H) 37 x 182.9 x 179㎜
価格 約8.4万円~

レビュー

公式サイト

まとめ

Lenovoのワークステーションは基本的に数字が大きい方が拡張性が高く、電源も筐体も大きいので、スペースの問題が無ければ、同じスペックにするにしても型番が大きなモデルを選んだ方がパフォーマンスが上がります。

また、カスタマイズは自分でもやりやすいし、Lenovo公式サイトならクリック一つでできるので、この点も魅力的ですね。

ノートパソコンのワークステーションは、「ThinkPad Pシリーズの比較レビュー」をどうぞ。