Lenovo

    Lenovo ThinkStation P620のレビュー Threadripper搭載の本格派ワークステーション

    Lenovo ThinkStation P620のレビュー Threadripper搭載の本格派ワークステーション

    本機種は企業向け、もしくはプロ向けのスペックで、動画・画像編集、3DCAD、科学技術計算、仮想マシン(VR)製作者やVRヘビーユーザー向けのワークステーションです。

    当然、「最高の性能のパソコンが欲しい」という個人にも合う機種で、AMD Ryzen Threadripper ProのプロセッサーにNVIDIA Quadro RTX 8000も搭載できる最高峰スペックです。

    大量のCGレンダリングや、1秒でも早く快適に作業をしたい人、研究室での利用など、様々な場所で活躍する機種です。

    LenovoではBlackFridayセールを11月20日〜27日に開催しています。この機会をお見逃しなく!

    ThinkStation P620のレビュー

    Lenovo thinkStation P620の外観
    CPUAMD Threadripper Pro
    3945WX/3955WX/3975WX/3995WX
    メモリ最大512GB
    ストレージ最大3.5インチHDDx5、最大M.2 SSDx11
    チップセットAMD WRX80
    マザーボードAMD Ryzen Threadripper Pro 3000シリーズ
    OSWindows 10 Pro
    グラフィックスNVIDIA Quadro P620/1000/2200
    NVIDIA Quadro RTX /4000/5000/6000/8000
    AMD Radeon Pro W5500/W5700/WX3200
    RAIDRAID0、1、5、10
    光学ドライブウルトラスリムDVD-ROM
    ウルトラスリムDVDスーパーマルチドライブ
    ウルトラスリムBue-Ray
    無線AC 9260 2×2、Bluetooth 5.1
    有線(イーサネット)内蔵イーサネット
    10ギガビット イーサネット
    セキュリティWindows Defender、TPM、パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード、セキュリティケーブルスロット、パッドロック
    寸法(幅x奥行x高さ)165x460x446㎜
    重さ最大24㎏
    保証3年間オンサイト
    電源1000W 80PLUS Platinum
    価格42.7万円~

    やばいですね、このスペック。構成具合によっては、値段は青天井です。カスタマイズしたら、RTX 8000搭載モデルなんかは300万円くらいになりました。

    APUはあのAMD Ryzen Threadripper Proで、最大64コア128スレッドのモンスタープロセッサーです。将棋の藤井棋士がRyzen Threadripperを使っていると言って、一時期有名になりましたね。

    コンシューマー向けのプロセッサーでは最大のコア/スレッド数になるプロセッサーで、Houdini ApprenticeやPOV-RayなどのCGレンダリングや科学技術計算、沢山の動画を一括バッチ処理するなどのプロの動画編集者、仮想マシンを使う人など、メインメモリを大量に消費する処理やCPUコアが要求される処理をする人向けになります。

    メモリは最速3200MHz DDR4で、8スロットあります。最大で512GBのメモリが搭載できるので、まず問題ないと思います。

    ストレージベイも多く、最大で3.5インチHDDx5、最大M.2 SSDx11ものストレージが搭載できます。

    グラフィックスはNVIDIA Quadroシリーズと、AMD Radeon Proから選べ、個人利用のスペックから企業もしくは本格派プロ向けのスペックまであります。

    また、保証は3年間のオンサイトで、「オンサイト」とは技術員が出張修理を行う保証になります。不具合があった場合、Lenovoにわざわざ本体を送らなくてもこっちまで来てくれて、修理してくれます。

    公式サイト

    ThinkStation P620の特徴

    Lenovo thinkStation P620筐体Lenovo thinkStation P620筐体 右斜め前から

    重厚な見た目のワークステーションですね。シンプルでかっこいいです。幅はそこまで大きくないですが、奥行きと高さがあり、スリムに見えるけど大きいです。

    幅165㎜、奥行き460㎜、そして高さが446㎜となります。

    • 幅は1万円札の長辺(160㎜)とほぼ同じ
    • 奥行きと高さは千円札3枚分(450㎜)とほぼ同じ
    Lenovo thinkStation P620で画像編集

    デスクが大きければ置けますが、サイズ的に足元に置くタイプですね。重量も最大24㎏もあるので。

    Lenovo thinkStation P620筐体 左側面Lenovo thinkStation P620筐体 右側面

    右側面はいたって普通ですが、左側面に筐体内部にアクセスしやすい様に取っ手があるので、ここを開けてカスタマイズやメンテナンスなどがしやすいです。

    Lenovo thinkStation P620の筐体内部

    内部は広々としており、裏配線なのできれいにまとまっていますね。配線がエアフロ―を邪魔しない、最高の形です。自分じゃここまで出来ませんね。

    メモリスロットは8つ、グラボも最大4つ搭載でき、ストレージは最大で3.5インチHDDx5、最大M.2 SSDx11も搭載できます。

    Lenovo thinkStation P620の前面インターフェイスLenovo thinkStation P620の背面インターフェイス
    電源
    1. コンボジャック
    2. USB3.1 Type-A Gen2
    3. USB3.1 Type-C Gen2
    4. ライン入力
    5. ライン出力
    6. マイク入力
    7. PS/2×2
    8. USB Type-A 2.0×2
    9. USB Type-A 3.1 Gen2×4
    10. 10GbE RJ-45×1
    11. 電源コネクター

    また、各グラフィックボードに以下のインターフェイスがあります。

    AMD Radeon Proインターフェイス最大搭載数
    WX 3200mini Display Port x 44
    W5500Display Port x 42
    W5700mini Display Port x 5, USB Type-C x 12
    NVIDIA
    P620mini Display Port x 44
    P1000mini Display Port x 44
    P2200Display Port x 44
    RTX 4000Display Portx3, VirtualLink4
    RTX 5000Display Portx4,VirtualLink2
    RTX 6000Display Portx4,VirtualLink2
    RTX 8000Display Portx4,VirtualLink2

    注)VirtualLinkとは、VRに使うヘッドセットを1本のコネクタで接続できる入出力です。

    RTXシリーズはVR Readyという「VRを使えるスペックがあるグラフィックボードもしくはパソコンに認証される認定マーク」あり、VRを使った事をする人は必ずRTXシリーズを選びましょう。

    グラフィックス

    通常のパソコンにはグラフィックボードにGeForce(3Dゲーム/DirectXに最適化)が使われますが、本機種ではQuadro(CADなどの専門的な高度な技術計算/OpenGLに最適化)が搭載です。

    ↓右にスクロールできます↓

    QuadroP620P1000P2200RTX 4000RTX 5000RTX 6000RTX 8000
    GPUアーキテクチャTuringTuringTuringTuringTuring
    CUDAコア51264012802304307246084608
    Tensorコア288384576 576
    RTコア364872 72
    メモリ帯域80Gbps82Gbps200Gbps416Gbps448Gbps672Gbps 672Gbps
    メモリタイプGDDR5GDDR5GDDR5XGDDR6GDDR6GDDR6 GDDR6
    メモリ容量2GB4GB5GB8GB16GB24GB 48GB
    単精度性能1.38TFLOPS1.89TFLOPS3.8TFLOPS 7.1TFLOPS 11.2TFLOPS16.3TFLOPS16.3FTLOPS
    Tensor core性能 57.0TFLOPS 89.2TFLOPS130.5TFLOPS130.5TFLOPS
    NVLink SLI対応対応対応
    APIShader 5.1
    OpenGL 4.5
    DirectX 12
    Vulkan 1.0
    Shader 5.1
    OpenGL 4.5
    DirectX 12
    Vulkan 1.0
    Shader 5.1
    OpenGL 4.6
    DirectX 12
    Vulkan 1.1
    Shader 5.1
    OpenGL 4.6
    DirectX 12
    Vulkan 1.1
    Shader 5.1
    OpenGL 4.6
    DirectX 12
    Vulkan 1.1
    Shader 5.1
    OpenGL 4.6
    DirectX 12
    Vulkan 1.1 
     Shader 5.1
    OpenGL 4.6
    DirectX 12
    Vulkan 1.1 
    TDP40W47W75W160W265W295W295W
    • TFLOPS・・・単精度浮動小数点演算性能で、RTX 4000の57TFLOPSだと、32bit小数の乗算、または加算を1秒間に57兆回実行できる速度
    • NVLink・・・NVIDIAの2つの同じグラフィックボードを繋げて理論的に2倍の性能に引き上げることができるマルチGPU技術。接続にNVLink SLI Bridgeが必要

    目安として、3DCADを最低限動かすにはメモリ容量が2GB以上なので、どれを選んでも動きますが、8GB以上が推奨です。大規模な商業施設などを作る人は、RTX 5000は搭載したいですね。

    AMD Radeon ProWX3200W5500W5700
    GPUアーキテクチャPolarisRDNARDNA
    ストリーミングプロセッサー64014082304
    メモリ帯域96Gbps224Gbps448Gbps
    メモリタイプGDDR5GDDR6GDDR6
    メモリ容量4GB8GB8GB
    単精度性能1.66TFLOPS5.35TFLOPS8.89TFLOPS
    APIDirectX 12
    OpenGL 4.6
    Open CL 2.0
    Vulkan 1.1
    DirectX 12
    OpenGL 4.6
    Open CL 2.0
    Vulkan 1.1
    DirectX 12
    OpenGL 4.6
    Open CL 2.0
    Vulkan 1.1
    TBP50W125W205W

    Radeonは比較的消費電力も低く性能も高めです。

    グラボを選ぶ分かりやすい目安として「メモリ容量」がありますが、AMDは同じメモリ容量でもNVIDIAの半額ほどになっています。

    RadeonとNVIDIAのGPU価格比較

    プロセッサーもAMDなのでAMDのグラボがいいかなと思います。

    ISV認証

    ISV(独立系ソフトウェアベンダー)により、アプリケーションとの互換性や安定稼働、高い運用性をテストされてISV認証を取得しているので、安心して使えます。

    英語版のみですが、Lenovoのサイトでどのベンダーのどのソフトと互換性があるか確認が出来ます。例えば下の画像は本機種「P620」「Autodesk」「Autodesk Alias(工業デザイン用ソフト)」で検索した結果です。

    ThinkStation ISV認証確認方法

    結果は「Certified(認証済み)」や「Recommended(推奨)」などでてきます。ほとんどのソフトは認証済みですが、利用者が少ない・マイナーなソフトを使っている場合は、確認してから購入した方がいいと思います。

    また、AMDのグラフィックボードは表示されません。AMDのグラボを選ぶ際は、お使いのソフトの動作環境を確認してから購入してください。

    CPU

    AMD Ryzen Threadripper
    Threadripper Pro 3945WXThreadripper Pro 3955WXThreadripper Pro 3975WXThreadripper Pro 3995WX
    アーキテクチャZEN 2ZEN 2ZEN 2ZEN 2
    製造プロセスTSMC 7nm FinFETTSMC 7nm FinFETTSMC 7nm FinFETTSMC 7nm FinFET
    コア/スレッド12/2416/3232/6464/128
    ベースクロック4.0GHz3.9GHz3.5GHz2.7GHz
    ターボブースト時4.3GHz4.3GHz4.2GHz4.2GHz
    TDP280W280W280W280W

    下のグラフはプロセッサーの性能を表すPASSMARKスコアで、下から2番めのIntel core i5-10210Uはビジネスモデルで比較的ハイスペックのCPUです。

    Threadripperは次元が違うのが分かると思いますが、まぁ、どれを選んでも快適に使えることは間違いなしです。後は、予算によると思います。

    メモリ

    メモリはPC4-25600(DDR4 3200MHz)で、ソケットは8つあり、最大512GB搭載できます。

    しかも動作周波数はかなり高い3200MHzなので、データ処理速度もかなり早いです。

    ストレージ

    仕様書には最大で3.5インチHDDx5、最大M.2 SSDx11となっています。

    • HDDはSATA接続で、最大データ転送速度は6GB/秒
    • SSDはM.2 PCIe-NVMe 3.0×4で、最大データ転送速度は32GB/秒

    ただしPCIe 3.0×4の実際のシーケンシャルリードは3500MB/秒くらい、シーケンシャルライトは2200MB/秒くらいになっています。HDDドライブはリードで500〜600MB/秒くらいが目安です。

    公式サイト

    RAID設定

    本機種では、RAID 0, 1 , 5, 10の設定ができます。

    • RAID 0・・・読み込み書き込みが高速で出来るし、分散してデータを保存ができる反面、1つのストレージに障害が発生すると復旧できません。なので、RAID 1やRAID 5と組み合わせて使うことが多いです。
    • RAID 1・・・読み書きが遅いが、複数のストレージに「同じデータを書き込む」ので、1つのストレージに障害があってももう一つの方のデータを使って作業が出来ます。
    • RAID 5・・・ドライブが3台以上必要で、データからパリティ(誤り訂正符号)を作成し、3台以上のハードディスクに分散して書き込み。分散書き込みなので速度も速く、1つのHDDに問題が発生しても残りのHDDから作業が可能。多くの人はこの設定を利用
    • RAID 10・・・ドライブが4台以上必要で、RAID 0とRAID 1を組み合わせた構成。多くの人はこの設定を利用

    電源

    パソコンの電源の種類

    電源には色々と種類があり、電源変換効率が変わってきます。というのも、100Wの電源でも100W供給されるわけじゃなく、例えばBronzeだったら82W、Titaniumだったら92Wと変わってくるんですね。

    • 80PLUS BRONZE・・・82%~85%
    • 80PLUS Silver・・・85~88%
    • 80PLUS GOLD・・・87%~90%
    • 80PLUS Platinum・・・90~92%
    • 80PLUS Titanium・・・92~94%

    グレードが上がるごとに、より高く変換してくれます。本機種はPlatinumなので性能は高く、電源も1000Wと大きいので安心して使えます。

    ただし、メモリやストレージも含め最大構成にすると1000Wではちょっと不安なので、ストレージはHDD3台(1台約24W)、SSD4〜5台(1台約25W)くらいにするのがいいかもしれません。

    概算ですが、HDDx3、SSDx5、メモリx8、Threadripper(すべて同じ最大消費電力)+ファンや光学ドライブなどを合わせると、558Wくらいになります。

    これに以下のグラボを搭載すると、概算で最大消費電力はこのくらいです。(最大なので常にこれだけ消費するわけじゃありません)

    1. RTX 8000 295W+558W=853W
    2. RTX 6000 上と同じ
    3. RTX 5000 265W+558W=823W
    4. W5700 205W+558W=763W(これ以下はOKだと思います)
    5. RTX 4000 160W+558W=718W

    足りないわけじゃないですが、パソコンを常にフル稼働させるならRTX8000/6000/5000を搭載するのは不安ですね。(そういう機会は少ないと思いますが)

    AMDのグラフィックボードを選べば安心だと思います。性能も高めで安めだし。

    最後に

    最強プロセッサーのAMD Threadripper搭載で、最高のスペックですね。

    本格派の個人や、企業で使うことになると思いますが、これ以上の性能のものは私が知る限りではないので(年間200〜300台のパソコンをレビューしています)、ストレスフリーで安心して使えます。

    公式サイト