HP ZBook Firefly 14 inch G8のレビュー・小型軽量ワークステーションで機動性抜群

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シングルコア性能が高いインテル第11世代CPU搭載で、内蔵グラフィックスにはIris Xe、そしてグラフィクボードにはNVIDIA Quadro T500が搭載のエントリークラスのワークステーションです。

特にCADなどのシングルコア性能が必要なソフトを使う人におすすめで、重量がたったの1.4㎏とワークステーションとしてはかなり軽く持ち運びに最適です。

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ZBook Firefly 14 inch G8のスペックレビュー

HP ZBook Firefly 14 inch G8の外観 正面

CPU Intel core i7-1165G7
Intel core i7-1185G7
メモリ 最大32GB
ストレージ SSD 最大2TB
グラフィックス Iris Xe
NVIDIA Quadro T500
ディスプレイ(14型) FHD IPS液晶
OS Windows 10 Pro
無線 WiFi6、Bluetooth 5、NFC
生体認証 顔認証、指紋センサー
セキュリティ TPM、HP Endpoint security Controller、HP Sure sense、HP BIOSphere、HP Sure Clickなど
寸法 323×214.6×17.9㎜
重さ 1.4㎏
バッテリー 最大約14時間
保証 3年
価格 20万3500円~

パソコンの頭脳であるCPUには最新のインテル11世代CPUが搭載で、クラス最高性能があるCore i7-1186G7も搭載できます。シングルコア性能がかなり高いので、モデリングも快適です。

グラフィックスにはDirectX(3Dゲーム)に最適化されたGeForceじゃなく、高度な技術計算(OpenGL)に最適化されたNVIDIA Quadro T500が搭載で、VRAM 4GBでCUDAコアは上位モデルのQuadro T1000と同じ数なので、エントリークラスとはいえパワフルです。

メモリは、ワークステーションとしては小さめの最大32GBです。2DCADや外出用で簡単な作業をする場合、大規模な3DCADを設計しないのであれば問題ない容量です。

ストレージは高速モデルのM.2 PCIe NVMeで、最大2TB搭載できます。モバイルPCで1~2TBあれば十分だと思います。

LTEは無いですが、WiFi6対応、NFC(近距離無線通信)もあるので、無線環境は良い方です。また、顔認証や指紋センサーもあるのでサインインも一瞬だし、セキュリティ的にも万全ですね。

セキュリティと言えば、本機種にはHP独自のものが多く搭載しており、「世界で最も安全なモバイルワークステーション」と宣伝されているほどです。情報漏洩はいつ起こるか分からないので、セキュリティが堅牢であればあるほど安心ですね。

保証も3年間オンサイト修理で、安心して使うことができます。

公式サイト

旧モデルとの比較

旧モデルのFirefly 14 G7との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)

本機種 Firefly 14 G7
CPU Core i7-1165G7/1185G7 Core i7-10810U~10510U
メモリ 64GB(3200MHz) 32GB(3200MHz)
ストレージ SSD 2TB SSD 2TB
GPU Quadro T500 Quadro p520
ディスプレイ FHD FHD、UHD
無線 WiFi6 WiFi6
バッテリー 14時間 17時間
重量 1.4㎏ 1.4㎏
価格 20.3万円~ 20.3万円~

Firefly 14 G7は旧モデルと言っても2020年8月に販売されたばかりなので比較的新しく、同じ筐体を使っています。

変わった点は、

・CPUが10世代から11世代へ
・Quadro P520はT500へ
・4K UHDディスプレイがあったが、本機種には無し

です。UHDディスプレイがなくなったのはなぜだか分かりませんが、総合的に見ると新モデルと言うよりも、中身が若干変わっただけのバージョンアップモデルですね。

10610Uはスコア・7142、10810Uは9121となっています。

ライバル機種

HP Firefly 15 G8とFire fly 14 G8、ThinkPad P15sの筐体比較<左からFirefly 15 G8・ThinkPad 15s Gen 2・本機種>

本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)

本機種 Thinkpad P15s gen 2 Firefly 15 G8
CPU Core i7-1165G7/1185G7 Core i5-1135G/1145G7
Core i7-1165G7/1185G7
Core i7-1165G7/1185G7
メモリ 32GB 48GB 64GB
ストレージ SSD 2TB SSD 1TB SSD 2TB
グラフィックス Iris Xe
Quadro T500
Iris Xe
Quadro T500
Iris Xe
Quadro T500
ディスプレイ FHD FHD、UHD FHD、UHD
無線 WiFi6 WiFi6、4G LTE WiFi6、4G LTE
バッテリー 14時間 15.3時間 14時間
重量 1.4㎏ 1.75㎏ 1.76㎏
価格 20.3万円~ 14.7万円~ 20.6万円~

ライバル機種も含め、ワークステーションとしてはエントリークラスになります。性能と言うよりも、機動性を重視した機種です。

本機種の特徴は、とにかく軽い!ワークステーションで1.4㎏は、類を見ないほど軽いです。外出先で設計したものをクライアントに見せたり、外出先で修正作業をするなどの低負荷な用途に向いています。もしくは、学生用ですね。

Firefly 15 G8は似たようなスペックですが、画面が大きい分作業がしやすいです。また、UHDディスプレイもあるので、詳細なカラーも設定できるし、クライアントに見せる時も「より色鮮やか」なので良いと思います。

ThinkPadはFirefly 15 G8とほぼ同じスペックですが、価格が安いです。というのも、HPのワークステーションには多くのセキュリティが初めから搭載していますが、ThinkPadはほどほどにセキュリティが搭載しているし、会社が違うため価格設定も違います。

メリット・デメリット

メリット

・14型ワークステーションでは小型軽量で持ち運びがしやすい
・セキュリティがすごい
・WiFi6搭載

デメリット

・エントリーモデルなので、高負荷な作業には向いていない
・4Kディスプレイ無し

ZBook Firefly 14 inch G8の特徴

HP ZBook Firefly 14 inch G8の外観 左斜め前から

本機種で一番驚いたのは、何といっても寸法と重量ですね。高性能のワークステーションは、普段使いの機種よりも重く大きくなるのが当たり前なのですが、本機種は小型軽量なんです。

寸法は幅323㎜、奥行き214.6㎜、そして高さは17.9㎜で、大学ノートA4サイズ(297㎜x210㎜)と比べると、幅+2.6㎝、奥行き+0.46㎝です。個人向けプレミアモデルのEnvy 14とほぼ同じ寸法なんです。

HP ZBook Firefly 14 inch G8の天板

高さ(厚さ)は17.9㎜と薄く、一円玉(直径20㎜)よりも2㎜ほど薄いです。重さは1.4㎏と、ワークステーションとしては激軽モデルです。

少し前までワークステーションと言えば、ごつい・重たい・大きいが当たり前でしたが、どんどん進化してますね。

HP ZBook Firefly 14 inch G8の外観 背面

天板にはZBookの「Z」のロゴがあります。

HP ZBook Firefly 14 inch G8の左側面

筐体のエッジは角が付くような設計で、かっこいいですね。また、ディスプレイが開けやすいように、開閉部分が「くの字」状になっていますね。

HP ZBook Firefly 14 inch G8の外観 右斜め前から

本機種にはスタンバイモードがあり、スマホやタブレットの様にすぐに起動するので、待ち時間無く使い始めることができます。通常のスリープは無いようです。

ZCentral Remote Boost

ZCentral Remote Boostとは、簡単に言うと複数のユーザーが送信元コンピューターのデスクトップを共有でき、リモートアクセスでも編集やビッグデータの視覚化などできます。

例えば本機種をメインのパソコンとして他のパソコンからアクセスし、手元に本機種がなくても他の機種で作業ができます。

チームでデータを共有したり、修正作業などをするときにすごく役に立ちますね。

詳しくは公式ページをどうぞ。

キーボード

HP ZBook Firefly 14 inch G8のキーボード

キーストローク(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は18.7x18.7㎜とデスクトップ用キーボード並みで、キーストローク(キーを押し込む距離)が1.5~1.7㎜と比較的深いので、打感も良くタイピングも快適にできると思います。

中央にある黒いボタン(トラックポイント)は、カーソルを動かしたりズームしたりできるので、慣れると「手がホームポジションから離れずに」作業ができます。

また、キーボードは防滴機能付きで、バックライトもあります。

ISV認証

HP ZBook Firefly 14 inch G8のISV認証

ISV(独立系ソフトウェアベンダー)認証を得ており、安心して使えると思います。Adobe IllustratorやPhotoshop、InDesign、XDに、CADソフトの有名どころのSketchUpやRevit、SolidWorksなども認定済みです。

CPU

製造プロセス コア/スレッド
キャッシュ
グラフィックス ベースクロック
シングルコアターボ時
Core i7-1185G7 10nm
SuperFin
4/8
12MB
Iris Xe 3GHz
4.8GHz
Core i7-1165G7 10nm
SuperFin
4/8
12MB
Iris Xe 2.8GHz
4.7GHz

CPUには最新の11世代CPUが搭載で、その中でも性能が高いCore i7から2種類あります。

スコアの目安

  • 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
  • 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
  • 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
  • 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い

↓グラフをタップすると数値が表示されます↓

スコアは1万オーバーの高性能CPUですね。「ハイパフォーマンスモデル」のCore i7-10750Hに近い性能になっています。

こちらはCineBench R20のスコアです。

マルチコア性能は6コア12スレッドのCore i7-10750Hに負けていますが、シングルコア性能は80~100ほど高いスコアになっています。モデリングも速く、使い勝手が高いです。

グラフィックス

グラフィックスは、内蔵グラフィックス最高性能があるIris Xeと、NVIDIA Quadro T500が搭載です。

NVIDIA Quadro T500(Mobile)
CUDAコア 896
ベースクロック 1365MHz
ブーストクロック 1695MHz
メモリ帯域 80Gbps
メモリタイプ GDDR6
メモリ容量 4GB
TGP 18~25W
API Shader Model 5.1、OpenGL 4.6、DirectX 12.1

グラフィックボードは、DirectX(3Dゲーム)に最適化されたGeForceじゃなく、高度な技術計算(OpenGL)に最適化されたQuadroで、CAD等を使う設計・建築、メディアクリエイターの業務用グラフィックボードです。

旧モデルのFirefly 14 G7に搭載されているグラフィクボードはQuadro P520で、CUDAコアが384だったので、倍以上高い性能ですね。VRAM も4GBあるので、比較的快適に使えるスペックです。

ディスプレイ

HP ZBook Firefly 14 inch G8のディスプレイ

解像度 光沢 液晶 輝度
FHD
1920×1080
なし IPS 400nit
FHD
1920×1080
なし IPS 1000nit(Sure View付き)
HD ハイディフィニション、低解像度で安い機種に使用される
FHD フル・ハイディフィニション、一般的な画質
光沢 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい
IPS液晶 コントラスト比が高く、視野角も広い
nit 明るさを表す単位。通常250nitが標準
HP Sure View 輝度や視野角を狭くし、のぞき見を防止する機能

ディスプレイは輝度が高いので、日中の明るい場所でも使いやすいですが、その他は特に標準的なディスプレイです。

Sure View

こちらは別機種ですが、HP Sure ViewをONにした状態とOFFの状態の写真です。このようにのぞき見できないようにする機能です。

HP ZBook Firefly 14 inch G8のWebカメラ

ディスプレイ上部のカメラには、プライバシースライダーという物理シャッターがあるので、Web会議の離席中やカメラを使用していないときは閉じておくと、プライバシーが守られます。

メモリ

メモリはデータを一時的に保存する場所で、パソコンの作業台になります。大きなメモリを搭載していると、より大きなデータが扱いやすくなります。

一般的に8GBあれば十分ですが、ワークステーションなら最低16GBと思います。本機種搭載のメモリはDDR4-3200MHz・オンボードなので、メモリの増設はできません。2DCADメインなら16GBあれば十分だと思いますが、32GBあれば安心ですね。

また、3200MHzという動作周波数は現行最高のものなので、メモリは良いものを使っていますね。

ストレージ

SSD SSD(SATA) HDD(本機種非搭載)
最大データ転送速度 最大16Gbps~32Gbps 最大6Gbps 最大6Gbps(SATAの場合)
平均起動時間 10秒~15秒 15秒前後 30秒~2分(新品の場合)
温度 熱くなりにくい 熱くなりにくい 熱くなりやすい
価格 高い 中価格 安い

本機種搭載のストレージはM.2 PCIe NVMeで、パソコンの起動も速く、データ転送速度も速いです。最大2TBも搭載できるので、モバイル用途としては十分だと思います。

公式サイト

バッテリー駆動時間

バッテリーは3セル・53Whで最大約14時間ですが、CADを使ったりとフルパワーで使用した場合は短くなるので、充電アダプターやモバイルバッテリーも持ち運ぶと安心だと思います。

セキュリティ

HPのワークステーションは、「世界で最も安全なモバイルワークステーション」と宣伝しており、多くのHP独自のセキュリティが搭載しています。以下に紹介するのは、一部のセキュリティです。

  • HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
  • HP BIOSphere・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
  • HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
  • HP Sure Run・・・OSの重要な機能や設定を構成時の状態に維持し、万が一設定が無効になった場合は再起動し、安全な状態に戻す
  • HP Sure Recover・・・OSがウイルス感染しても自動的にリカバリーする
  • HP Sure Start・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリーする
  • HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
  • ナノセキュリティロックケーブルスロット・・・盗難や持ち運び防止用のセキュリティワイヤーを使うスロット
  • TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
  • Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれる

WiFi6

次世代通信規格のWiFi6は今まで以上に多くのデバイスに同時に電波を飛ばせ、最大通信速度も9.6Gbpsとかなり速く、前規格のWiFi5(6.9GB/秒)と比べて40%ほど速くなっています。

例えばカフェや社内WiFiなどの利用者が多いWiFiを使うときでも、安定してインターネットが使えます。

NFC

NFCは近距離無線通信規格の一つで、NFC機能があるデバイス同士を近づけるとデータ移動などが出来ます。

例えば、スマホで見ているページをパソコンで見たいときに、スマホをパソコンに近づけると、パソコンでも同じページが表示されるんです。

HP Performance Advisor

こちらはワークステーションのパフォーマンスを管理できるツールで、アプリやソフト、ドライバに対し、初期構成・カスタマイズを最適化します。

また、CPUのコアを制限して、このソフトは2コア使って、このソフトが6コア使ってなどの設定もできるので、作業がやりやすいように設定もできます。

本機能の詳細は、公式サイトをどうぞ。

インターフェイス

HP ZBook Firefly 14 inch G8の右側面インターフェイス

右側面インターフェイスにはThunderbolt 4が2つ、HDMI、そして電源ポートがあります。

HP ZBook Firefly 14 inch G8の左側面

左側面インターフェイスにはナノセキュリティスロット、USB-A 3.1 Gen 1が2つ(うち1つはチャージ機能付き)、マイク/ヘッドフォンジャック、そしてスマートカードリーダー付きです。

Thunderbolt 4が2つもあるので、まず困ることは無いと思います。

サポート・保証

HPでは電話やチャット、LINE、Twitterでもサポートをしており、本機種の場合は3年間のオンサイト修理保証が付いています。

オンサイト修理とは、エンジニアが現場(会社や自宅)に来てくれて修理してくれるので、安心だし、早いですね。(修理は土日祝日を含む週7日対応)

ビジネスモデルのサポート受付時間は、月~金が朝9時から夜21時まで、土曜日が朝9時から夕方17時までとなっています。また、ワークステーション専用のテクニカルサポート部署が東京にあり、ベテランエンジニアが対応してくれます。

最長5年まで延長でき、サポートや保証が手厚いので助かりますね。

まとめ

ワークステーションとしてはエントリークラスになりますが、学生で毎日パソコンを持ち運ぶような人に最適で、2DCADやそこまで複雑じゃない3DCADなら十分使えますね。

また、モバイルワークステーションとしてはすごく優秀で、小型軽量モデルなので機動性は高いです。今までのワークステーションと比べると、すっごく移動が楽になりますね。

公式サイト