本機種の特徴は、「高性能で低価格」に尽きると思います。性能や機能は普段使い用でも十二分で、USB-AやHDMIもあるのでビジネス用途でも問題なく使えます。
15.6型と大きなため据え置き用として使いやすいと思いますが、重さは1.71㎏と標準的なので、時々持ち運ぶことがあっても問題ないと思います。
2022年9月2日追記)第12世代CPUが追加されたので、情報をアップデートしています。変更点はCPUと、microSDカードリーダーがなくなったことです
Contents
HP Pavilion 15-egのスペックレビュー
カラー | セラミックホワイト、フォグブルー |
---|---|
CPU | Core i3-1125G4/1215U Core i5-1135G7/1240P Core i7-1165G7/1260P |
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | インテルUHDグラフィックス Iris Xe |
ディスプレイ | 15.6型 FHD IPSタッチディスプレイ 光沢あり |
無線 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0 |
生体認証 | 指紋センサー |
セキュリティ | Windows Defender、TPM、セキュリティロックケーブル用スロット、マカフィーリブセーフ30日版 |
寸法 | 360x234x17.9㎜ |
重さ | 1.71㎏ |
バッテリー | 最大8時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 7.2万円~ |
パソコンの頭脳であるCPUには、インテル第11世代か、最新の12世代CPUが搭載です。旧モデルのCPUと比べても大幅に性能が上がっており、年々、Webサイトに表示されるコンテンツがリッチになっているので、CPUの性能が高いとストレスフリーですね。
Core i3でも高い性能があり、より快適に使う場合やビジネス用途ではCore i5にCore i7も選べます。また、Core i5とi7にはIris Xeという内蔵グラフィックスが搭載で、動画編集や画像編集がしやすくなっています。
メモリはデータ処理速度が速いDDR4-3200MHzが搭載で、オンボードでなくスロットが2つになっています。ストレージはデータ移動もパソコンの起動も速いSSD M.2が搭載で、パソコンの起動時間は約10秒ほどです!
ディスプレイには標準的なフルHD IPS液晶になっており、高画質で見やすく、タッチパネルなのでタブレットの様に画面を触って操作も出来ます。
指紋センサー搭載なのでサインインは一瞬で終わるし、次世代通信規格のWiFi6にも対応しているので、混みあった回線でも安定した高速通信が可能です。
バッテリー駆動時間が最大8時間と長くないですが、45分の充電で50%まで充電できる急速充電機能付きなので、外出時でもどこかの時点でサクッと充電すれば長時間使えます。
全体的に標準以上の性能で、家や会社で「がっつり使うメイン機種」として使用できる性能があります。
旧モデルとの比較
<左・本機種/右CU1000>
旧モデルのPavilion 15-cu1000との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | Pavilion 15-cu1000 | |
CPU | Core i3-1125G4/1215U Core i5-1135G7/1240P Core i7-1165G7/1260P |
Core i5-8265U Core i7-8565U |
メモリ | 16GB | 16GB |
ストレージ | SSD 1TB | SSD 128GB+HDD 1TB |
ディスプレイ | FHD タッチディスプレイ | FHD |
無線 | WiFi6 | WiFi5 |
バッテリー | 8時間 | 9時間 |
重量 | 1.71㎏ | 2.07㎏ |
価格 | 6.4万円~ | 7万円~(販売終了) |
CPUが第8世代から12世代に変わり、性能がかなり上がっており、Wi-Fiも旧規格のWi-Fi5から6に、そしてベゼル(画面の黒い枠)がかなり細くなっています。重量も300g以上軽くなったので、以前に比べ持ち運びもしやすくなっています。
Pavilion 15-egの特徴
本機種にはフォグブルーと、セラミックホワイトの2種類があり、どちらもおしゃれな外観をしていますね。ベゼル(画面の黒い枠)が結構細く、画面占有率は86%と高いです。ベゼルが細いと単純に画面が見やすいし、ボディも小型軽量にできます。
天面とキーボード面はアルミニウム素材を使用しているので、軽量化をしつつ耐久性も高くなっています。セラミックホワイトの天板は「アニオン電着塗装」で加工されており、指紋が付きにくく引っかき傷にも強いという特徴があります。
注)11世代モデルはアルミニウムでしたが、12世代モデルは未確認
寸法・重さ
寸法は幅360㎜、奥行き234㎜、高さ17.9㎜で、前世代モデルより小型化が進んでいます。上下のベゼルがかなり削減されたので、奥行きが-12㎜になっていますね。
幅 | 奥行き | 高さ | 重さ | |
本機種 | 360㎜ | 234㎜ | 17.9㎜ | 1.71㎏ |
Pavilion 15-CS | 361㎜ | 246㎜ | 18㎜ | 1.82㎏ |
重さは1.71㎏と100g以上軽くなりましたが、持ち運びしやすい重さではないので、主に据え置き用として使い、時々持ち運ぶこともあるというのであれば気にならないと思います。
コネクテッド・モダンスタンバイ
通常、パソコンを使用時に閉じると「スリープ」モードになるのですが、本機種はConnected Modern Stand-byと言って「低電力で動作し続ける」ので、次にディスプレイを開くと、例えばすでにメールを受信していたりと、情報がアップデートされています。また、スリープ機能よりも復帰が速いという特徴があります。
移動中にサクッとメール確認したい人には、使いやすいですね。
※12世代CPU搭載モデルには、この機能はないようです。公式サイトから削除されていました。
キーボード
キーピッチは縦横18.7㎜と余裕があり、キーストロークは1.3㎜と平均的ですが浅いので、軽いタッチでタイピングをした方が使いやすいです。
キーボードの右下には指紋センサーがあるので、サインインは一瞬で終わります。
キーボードにはバックライト付きなので、暗い所でもタイピングがしやすいし、テンキー(数字のキー)付きで資料作成などもしやすいです。
また、本機種は「リフトアップヒンジ」というディスプレイを開いたときにキーボードに傾斜が付く設計なので、タイピングがしやすく、底面にある吸気口もより空気を取り込みやすくなるため、排熱効率も上がっています。
CPU
Core i7-1165G7 | Core i5-1135G7 | Core i3-1125G4 | |
製造プロセス | 10nm SuperFin |
10nm SuperFin |
10nm SuperFin |
コア/スレッド | 4/8 | 4/8 | 4/8 |
キャッシュ | 12MB | 8MB | 8MB |
グラフィックス | Iris Xe | Iris Xe | UHDグラフィックス |
基本クロック | 2.8GHz | 2.4GHz | 2.0GHz |
ブーストクロック | 4.7GHz | 4.2GHz | 3.7GHz |
Core i7 1260P |
Core i5 1240P |
Core i3-1215U | |
Pコア | 4 | 4 | 2 |
Eコア | 8 | 4 | |
スレッド | 16 | 16 | 8 |
キャッシュ | 18MB | 12MB | 10MB |
Pコア最大周波数 | 4.7GHz | 4.4GHz | 4.4GHz |
Pコア基本周波数 | 2.1GHz | 1.7GHz | 1.2GHz |
GPU実行ユニット | 96 | 80 | 64 |
ベースパワー | 28W | 15W | |
最大パワー | 64W | 55W |
執筆時現在、ほとんどのモデルが12世代CPUに置き換わっており、11世代は少しだけになっています。
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。また、11世代以前のCPUに比べ、コアとスレッドが増えたので、マルチタスクがよりしやすくなっています。
Uシリーズは消費電力が15Wと小さいので、バッテリーの持ちがよくなりますが、Pシリーズに比べ性能が若干劣ります。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ハイエンドPCに搭載される
- 15000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700H | |
---|---|
Core i7-1280P | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1255U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1215U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 | |
Core i5-10210U |
性能を見ると、Core i3-1215Uモデルが一番コスパが高いですね。
グラフィックス
グラフィックスは内蔵グラフィックスでは最高性能があるIris Xe(Core i5,i7)と、インテルUHDグラフィックス(Core i3)が内蔵されています。
グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
MX550 | |
---|---|
Core i7-1165G7 | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1135G7 | |
Core i5-1130G7 | |
MX250 | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 7 PRO 5850U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i3-1215U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 3 5425U |
ディスプレイ
解像度 | 液晶 | 光沢 | 輝度 | タッチディスプレイ |
フルHD 1920×1080 |
IPS | あり | ー | 〇 |
一般的な高解像度のフルHDで、コントラスト比が高く、視野角も広いIPS液晶になっています。
また、タッチディスプレイなので、スマホやタブレットの様に画面を触って操作できるので、便利です。
メモリ
メモリはパソコンの作業台で、メモリが大きいとより快適にパソコンが動作します。
本機種には8GB(4GBx2)か16GB(8GBx2)の2種類があり、通常、8GBあれば困ることはないです。より快適に使いたい人や、ビジネス用途で、と考えている人は16GBモデルを選んでもいいと思います。
搭載メモリはDDR4-3200MHzで、メモリスロットは2つになります。メモリは8GB1枚よりも4GB2枚での方が処理が速く、動作周波数(MHz)が高いと、より速い処理速度があります。
本機種はメモリ2枚組だし、3200MHzの周波数があるのですごく良い組み合わせになっています。
ストレージ
ストレージはデータ転送速度が速く、パソコンの起動も速いSSD M.2 PCIe NVMeが搭載です。
以前主流だったHDD(ハードディスクドライブ)と比べると、使い勝手がかなり良くなっています。
SSD | HDD | |
最大データ転送速度 | 16Gbps~32Gbps | 6Gbps |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分(新品の場合) |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
バッテリー
バッテリーは最大7.5時間とあまり長くないので、外出の際はACアダプタの持ち運びが必要です。
また、45分で50%まで充電できるので、屋内で場所を変えながら使う場合は、時々充電していたら問題なく使えると思います。
Wi-Fi6
WiFi6は次世代通信規格で、5G回線と共に注目されている通信規格です。
WiFi6の何がすごいかと言うと、
- 理論値ベースの最大通信速度が9.6Gbps(WiFi5は6.9Gbps)
- 一度に多くの電波を飛ばせるので、安定した通信が可能
で、簡単に言うと、今まで以上に安定して高速回線で通信ができるようになりました。
セキュリティ
スタンダードモデルのPavilionにしては、多くのセキュリティが付いています。ビジネス用かと思うほどです。
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティでウイルス対策機能がある
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納
- パワーオンパスワード・・・電源を入れた時に入れるログインパスワード
- アドミニストレーターパスワード・・・管理者以外はソフトウェアなどをダウンロードする時に、管理者の認証・パスワードが必要にできる。子供が有害なものをダウンロードしないように等の時に使います
- セキュリティロックケーブル用スロット・・・PCを持ち運びできないようにワイヤーを設置する箇所。展示品などについているようなワイヤーが使用可能
- マカフィーリブセーフ・・・セキュリティソフト30日試用版
インターフェイス
右側面には、セキュリティロックケーブル用スロット、USB Type-A、電源コネクタがあります。
左側面には、HDMI、USB-AとUSB-Cにヘッドフォンとマイクジャックがあり、USB-Cは給電充電対応、Display Port 1.4(映像出力付き)になります。
USB Type-Cは10Gbps、USB-Aは5Gbpsのデータ転送速度があります。
普段使いモデルとしては、標準的なポートです。
保証・サポート
HPでは「1年間の使い方サポート」と「1年間の引き取り修理保証」が標準でついています。
パソコンに同梱される「パソコン入門書」を見ながら設定や使い方を見ることが出来、分からない場合は電話でサポートを受けることが出来るので、安心して購入できます。
保証は最長3年まで延長でき、引き取り修理じゃなく出張修理もあります。
- 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
- 出張修理・・・家や事務所に来て現場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
ライバル機種
<左から本機種・Slim 550i・Flex 550i>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | IdeaPad Slim 550i | Flex 550i | |
CPU | Core i3-1125G4/1215U Core i5-1135G7/1240P Core i7-1165G7/1260P |
Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
メモリ | 16GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | SSD 1TB | SSD 512GB | SSD 512GB |
グラフィックス | Iris Xe | Iris Xe | Iris Xe |
ディスプレイ | FHD、タッチディスプレイ | FHD | FHD、タッチディスプレイ |
無線 | WiFi6 | WiFi5 | WiFi5 |
バッテリー | 8時間 | 13時間 | 12.2時間 |
重量 | 1.71㎏ | 1.66㎏ | 1.8㎏ |
価格 | 6.4万円~ | 5.9万円~ | 5.5万円~ |
本機種の特徴は、ストレージが最大1TB搭載できる点と、WiFi6に対応していることですね。このクラスの機種にはまだWiFi6が搭載していないことも多いので、本機種は大きなメリットがありますね。
Lenovo IdeaPad Slim 550iは一番軽く、バッテリー駆動時間も長め、そして、HPより5000円安いですね。WiFi6がないですが、気にならない人はこちらがいいかもしれません。
Flex 550iもLenovoで、こちらもWiFi6がないですが低価格です。また、本機種は2 in 1 PCなので、タブレットの様に使ったりと形状を変えることができます。
まとめ
良い点
・最新のインテル第12世代CPU搭載で高性能
・Wi-Fi 6対応
・ストレージが最大1TB!!
・モダンスタンバイ機能付きで、スリープからの復帰が速い
残念な点
・バッテリー駆動時間が短い
・搭載CPUの性能は年々上がっているが、その他が旧モデルから変化がない
総合評価
最新のインテル第12世代CPU搭載で性能がかなり高くなり、色々なことがよりしやすくなったと思います。
Wi-Fi 6にも対応なので通信が安定し、速度も速くなっています。
普段使い用としては十分な性能があり、欠点らしき欠点もない機種です。