普段使いモデルとしては、最軽量の部類に入るんじゃないかと思うくらい軽い、Pavilion Aero 13です。ビジネスモデルならLifeBookなど世界最軽量の機種もありますが、普段使い用PCではあまり見ないですね。しかも、価格は10万円台からです。
13インチで957gと超軽量で、全体的なスペックも高い機種です。
当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | |
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コスパ | |
総合評価 |
Contents
Pavilion Aero 13-be2000のスペック
APU | Ryzen 5 7535U Ryzen 7 7735U |
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メモリ | 8/16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
グラフィックス | Radeonグラフィックス |
ディスプレイ(13.3型) | WUXGA IPS 400nit sRGB 100% |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3 |
生体認証 | 指紋センサー |
セキュリティ | TPM、パワーオンパスワード、アドミニストレーターパスワード |
寸法(幅×奥行×高さ) | 298 × 209 × 16.9㎜ |
重さ | 957g |
バッテリー | 12時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 10.9万円~ |
パソコンの頭脳であるCPUは最新のRyzen 7000シリーズで、上位モデルのZen 3+ アーキテクチャになります。CPUの最大温度が95°と低いので、高負荷な作業を長時間しやすくなっています。
メモリはLPDDR5-6400で、オンボード・最大16GBと大きく、ストレージは高速データ転送速度があるM.2 PCIe NVMeで、最大512GBと大容量です。SSDの速度が速いので、パソコンの起動も10秒ほどと速いです。
ディスプレイはWUXGAと言ってフルHDより縦に長く、画面アスペクト比が16:10と縦に長いので13.3型と言っても14型以上の情報が表示されます。また、輝度は400ニトと明るく、画像編集をするようなクリエイターにも向いたsRGB 100%の色域があります。
957gとかなり軽量でコンパクトな機種、それでいて表示情報も多いので、外出先でも作業がしやすい機種です。
また、最新のWi-Fi 6Eに対応しており、安定した高速回線で通信も可能です。
その他のスペックはWindows 11 Homeに、指紋センサーも搭載、Webカメラは92万画素、USB Type-CはDiplayPort 1.4機能付きで、モバイルモニターなどの仕様もできます。
バッテリー駆動時間は12時間と、そこまで長くないですが、半日くらいの外出であれば十分な長さです。
とにかく軽い機種で、持ち運びが多い人に向いています。
旧モデルとの比較
<本機種・Aero 13-be2000>
2022年に発売された、Aero 13-be1000と同じ筐体を使用しています。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
旧モデル | 本機種 | |
CPU | Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
Ryzen 5 7535U Ryzen 7 7735U |
メモリ | DDR4-3200 16GB | LPDDR5-6400 16GB |
ストレージ | SSD 512GB | |
ディスプレイ 画面比 |
WUXGA IP 16:10 |
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無線 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6E |
バッテリー | 11時間 | 12時間 |
重量 | 957g | |
寸法 | 298 × 209 × 16.9㎜ |
変更点です。
・CPUがRyzen 7000シリーズに変更
・バッテリー駆動時間が少し伸びた
・Wi-Fi 6Eに対応、Bluetoothが5.2から5.3に変更
・背面のロゴが変わった
頑丈で軽量な筐体を作ってしまったので、もう、これ以上変更できないんじゃないかと思います。2021年から、同じ筐体で変わりがありません。まぁ、そのくらいセンセーショナルな機種です。
こちらは、CPUの性能を測るCPU Markのスコアです。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
Ryzen 7 7735U | |
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Ryzen 7 5825U | |
Ryzen 5 5625U |
Pavilion 13-be2000の特徴
本機種はベゼル(画面の黒い枠)が細く、おしゃれですね。もちろんベゼルだけじゃなく、筐体自体もスリムで、
- 幅298㎜
- 奥行き209㎜
- 高さ16.9㎜
で、A4サイズ(297×210㎜)よりも少し大きいサイズです。
高さは最薄部が16.9㎜、最厚部が18.9㎜と薄いので、カバンにもすっぽり入りやすいし、重さはたったの957gなので持ち運びが楽です。一般的な13型の重さは1.3㎏なので、いかに軽いかが分かりますね。
カラーはセラミックホワイトとピンクベージュの2種類があり、色が選べるのもさすがHPですね。
ちなみにディスプレイを開く開閉部分が「くの字」になっており、指に引っ掛かるので開けやすくなっています。
リフトアップヒンジを採用しており、ディスプレイ下部が机にあたり、キーボードに傾斜が付くようになっています。
タイピングがちょっとしやすくなっています。
指紋センサーも搭載しているので、サインインも楽です。
素材
素材は耐久性も高く、高級感のあるマグネシウム合金です。通常のPavilionは樹脂素材がほとんどですが、本機種は上位モデルなので素材から違うものを使用していますね。
ちなみに、背面のロゴはプレミアムモデルにのみ使用されるロゴに変更され、より洗練された外観になりました。
こちら↓は、旧モデルのロゴです。私はこのロゴが好きじゃないので、ロゴが変わってうれしいです(笑)。
キーボード
HPのキーボードは特徴的で、通常一番端にある「Enterキー」や「バックスペースキー」が1つ中に入っており、若干慣れが必要かもしれません。
キーボードは暗がりでも作業がしやすいバックライト付きで、キーピッチ(キーの中心から次のキーまでの距離)は縦横18.7㎜×18.4㎜と13型なのに大きめなので、手が大きな人でも使いやすいと思います。
キーストローク(キーを押し込む距離)は1.3㎜と標準的で、軽めのタッチでタイピングした方が打ちやすいと思います。
CPU
Ryzen 5 7535U | Ryzen 7 7735UU | ||
製造プロセス | 7nm | ||
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アーキテクチャ | Zen 3+ | ||
コア/スレッド | 6/12 | 8/16 | |
L3キャッシュ | 16MB | ||
GPUコア | 6 | 12 | |
基本クロック | 2.9GHz | 2.7GHz | |
ブーストクロック | 4.55GHz | 4.75GHz | |
TDP | 28W |
アーキテクチャがZen 3+になっており、クロック数が上がり、Ryzen 7のGPUコアが12と増えていますね。
Zen 3+はZen 3と比べ、以下の点が変わっています。
・前世代と比較して最大30%高速
・最大24時間のバッテリー
・内蔵GPUがRDNA2(レイトレーシング対応)
・統合型グラフィック性能はRyzen 5000シリーズの最大2倍
・DDR5/LPDDR5のメモリに対応
・USB4対応
・PCIe Gen 4対応
・Wi-Fi 6E対応
USB4に対応したのは、すっごく評価できますね。今まではIntel搭載PCとRyzen 6000シリーズ搭載PCのみ使えたので、今後、ビジネス用途でのAMDの購入者も増えると思います。ただし、本機にはUSB4はありません。
CPU Markスコアです。順当に、インテル13世代と同じくらいの性能ですね。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1360P | |
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Ryzen 7 7735U | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 7 5825U | |
Core i7-1355U | |
Ryzen 5 5625U |
グラフィックス
グラフィック性能が高いと、動画編集や画像編集、3Dゲーム、そして複数画面を使ったり、Officeワークなどもやりやすくなります。
詳しいベンチマークは、入手次第情報をアップデートします。
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 | 色域 |
WUXGA 1920×1200 |
なし | IPS | 400nit | sRGB 100% |
FHD | フル・ハイディフィニション、一般的な画質で解像度は1920 × 1080ドット |
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光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
IPS液晶 | コントラスト比が高く、視野角も広い |
nit | 明るさを表す単位。通常250~300nitが標準 |
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、13.3インチでも14インチ(16:9)以上の情報が表示されます。
これは13.3型16:10のディスプレイ(左)と、14型16:9のディスプレイを並べたものですが、左の13.3型の方が縦に表示される情報が多いですよね。上下にスクロールする回数も減り、作業効率が高くなっています。
色域もsRGB 100%とクリエイターにも向いた広い色域で、色鮮やかです。
こちらは一般的なノートパソコンに搭載されるディスプレイ(右)と、sRGB 100%のディスプレイ(左)を一眼カメラで撮影したものですが、全然違う色になっていますね。
Webサイトを見ても、全然色が違うし、画像や動画を見る時もより鮮やかです。
また、輝度は400ニトと高く、屋外でも使いやすいです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはLPDDR5-6400MHzで、オンボード最大16GBになります。動作周波数が6400MHzと高く、より高速にデータを処理できます。
ヘビーユーザーにも使いやすいスペックですが、オンボードのため増設や換装はできません。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機種には高速モデルのM.2 PCIe NVMeが搭載で、パソコンの起動も約10秒と速いですね。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 3.0×4 | |
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HDD |
Wi-Fi 6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
インターフェイス
インターフェイスはミニマムですが、ビジネス用途でない限り困ることはないかなと思います。ビジネス用途でご利用をお考えの人は、ドックを持っていたら使いやすくなります。
左側面インターフェースはHDMI 2.1、USB-A(最大データ転送速度5Gbps)、USB Type-C(同10Gbps、Powerdelivery・Display Port出力機能)、ヘッドフォン/マイクジャックがあります。
右側面にはUSB-A(同5Gbps)と電源コネクタになります。
サポート
HPでは「1年間の使い方サポート」と「1年間の引き取り修理保証」が標準でついていて、電話やLINE、ツイッターでもサポートをしています。
購入時に詳しく書かれた「パソコン入門」もあるので、初めてパソコンを買う人でも設定から使い方まで、分かりやすいと思います。また、保証は最長3年まで延長でき、引き取り修理じゃなく出張修理もあります。
- 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
- 出張修理・・・家や事務所に来て現場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
ライバル機種
モバイルPCで、1㎏前後の機種が比較検討になると思います。
こちらに1㎏以下のPCをまとめているので、比較材料として読んでみてください。
まとめ
良い点
・957gと軽量コンパクト
・画面アスペクト比が16:10と縦に長く、広色域のsRGB 100%
・Wi-Fi 6E対応
・マグネシウム合金の筐体で高級感があり剛性も高い
残念な点
・インターフェイスがミニマム
総合評価
個人向けのPCとしては十分なスペックがあり、困ることはないと思います。マグネシウム合金を使用した筐体で堅牢性も高く、高級感がありますね。
この価格のPCでこれだけのスペックだと、コスパが高い部類に入り、インターフェイス以外に困るような個所もないので、持ち運びが多い学生や社会人に合う機種です。