低価格モデルのHPシリーズ最新機種で、率直な感想は「悪くない」です。
価格が価格なので特別な機能などがあるわけじゃないですが、普通に使える機種なので、低価格の普段使い用PCを探している人は検討の価値があると思います。
15.6型の大画面で1.6㎏と15.6型にしては軽いので、外出先でも快適に作業をしたい人にも向くし、リビングに置く家族共用PCなどにも合います。
2021年9月上旬に販売開始します。
Contents
HP 15s-fq2000のスペックレビュー
CPU | Intel Celeron N4500 Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 |
---|---|
メモリ | 最大8GB |
ストレージ | 最大 SSD 1TB |
グラフィックス | UHDグラフィックス Iris Xe |
ディスプレイ(15.6型) | FHD IPS液晶 |
無線 | WiFi5/6、Bluetooth 5.0 |
生体認証 | 指紋センサー |
カラー | ナチュラルシルバー、モダンゴールド |
Microsoft Office | Office Home &Business 2019搭載可能 |
セキュリティ | パワーオンパスワード、アドミニストレーターパスワード、TPM、マカフィーリブセーフ |
寸法(幅x奥行きx高さ) | 358 x 242 x 17.9㎜ |
重さ | 1.6㎏ |
バッテリー | 最大7時間30分 |
保証 | 1年間 |
価格 | 4万6200円~ |
パソコンの頭脳であるCPUはローエンドモデルのCeleronか、ビジネス用途でも使えるほどの性能がある最新11世代Core i3、Core i5が選べます。Celeronは正直言うとかなり控えめな性能ですが、あまりパソコンを使用しない人であればそこまでストレスを感じることもないかもしれません。
メモリは最大8GBと普段使いであれば十分な容量で、メモリスロットが2つあるので増設も可能です。ストレージはM.2 SSDというデータ転送速度が速いSSDが搭載で、パソコンの起動もデータのやり取りもサクサクできます。
先ほどCeleronは「かなり控えめな性能」と言いましたが、ストレージがSSDなので「HDDを使った機種」よりは全然快適に動作します。
また、Coreモデルを選んだ場合は内蔵グラフィックスがIris Xeなので、クリエイティブワークがしやすくなりますね。動画編集や画像編集などをする人は、Coreモデルを選んだ方がいいです。
低価格モデルにしては珍しく、WiFi6(Coreモデルのみ)に指紋センサーもあり、15.6型なのにたったの1.6㎏なので持ち運びもしやすいし、外出先でも使いやすいと思います。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/15s-fq1000>
旧モデルのHP 15s-fq1000との比較です。同じ筐体を使用しており、CPUが変わっただけです。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | 15s-fq1000 | |
CPU | Celeron N4500 11世代Core |
Celeron N4000 10世代Core |
メモリ | 8GB | |
ストレージ | SSD 1TB | SSD 最大512GB |
ディスプレイ | FHD IPS | |
無線 | WiFi5/6 | WiFi5 |
バッテリー | 7.5時間 | 10時間 |
重量 | 1.6㎏ | |
価格 | 4.6万円~ | 5.2万円~ |
プロセッサーが第10世代から11世代に変わり、ストレージが最大1TB、そしてWiFi6に対応しました。最低価格は下がり性能は上がっていますが、バッテリー駆動時間が若干減っています。
プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i5-1135G7 | |
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Core i7-1065G7 | |
Core i5-1035G1 | |
Core i3-1115G4 | |
Core i3-1005G1 | |
Celeron N4500 | |
Celeron N4000 |
ライバル機種
<左から本機種・HP 15s-eq1000・Pavilion 15-eg0000>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | 15s -eq1000 | Pavilion 15-eg | |
CPU | Intel Celeron N4500 Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 |
Athlon 3050U Ryzen 3 3250U |
Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
メモリ | 8GB | 8GB | 16GB |
ストレージ | SSD 1TB | SSD 256GB | SSD 1TB |
グラフィックス | UHD、Iris Xe | Radeon | UHD、Iris Xe |
ディスプレイ | FHD IPS | FHD IPS | FHD IPS タッチ |
無線 | WiFi5/6 | WiFi6 | WiFi6 |
バッテリー | 7.5時間 | 11時間 | 8時間 |
重量 | 1.6㎏ | 1.6㎏ | 1.71㎏ |
価格 | 4.6万円~ | 3.8万円~ | 6.4万円~ |
注)価格は本機種以外はセール価格で、本機種は販売が開始したらセール価格での表示になると思います。
プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1165G7 | |
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Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 3 3250U | |
Athlon 3050U | |
Celeron N4500 |
各機種の特徴です。
- 本機種・・・超低性能、普通、高性能CPUが用意されており、いろいろなユーザーに合うラインアップ。可もなく不可もない普通のPC
- 15s-eq1000・・・性能が低めのプロセッサー搭載で、ライトユーザー向け
- Pavilion・・・上位モデルで上位スペックだが、価格はほぼ同じ。でも110g重たい
Windows 11
Microsoftが2021年6月にWindows 11を発表しました。今までのWindowsのアップデートと違い、全機種アップデートできるわけじゃなく、以下の要件を満たした機種のみになります。
- 1GHz以上で動作する複数コアを搭載した64bitCPU
- メモリ4GB以上
- ストレージ64GB以上
- DirectX 12サポート
- 9インチ以上720p以上の解像度
- Microsoftアカウント
- ネット接続
- UEFIによるセキュアブートをサポート
- TPM 2.0
一番性能が低いCeleronモデルでも、上記すべて満たしています。
メリット・デメリット
良い点
・15.6型にしては軽い
・CoreモデルはWiFi6対応
・HPシリーズ初のTPM搭載機種で、Windows 11に対応できるスペック
残念な点
・キーボードにバックライトがあれば良かった
本機種はこの価格帯の機種としては、特に不満もない普通のスペックだと思います。
HP 15s-fq2000の特徴
HPシリーズと言えば低価格モデルなのですが、本機種はベゼル(画面の黒い枠)も細く安っぽさがないですね。画面占有率は82%で、悪くないと思います。
寸法は
幅358㎜(一万円札2枚+4㎝)
奥行242㎜(一万円札1.5枚/240㎜)
高さ17.9㎜(一円玉/20㎜)
とほぼ同じで、重さは15.6型としては軽めの1.6㎏になります。
公式サイトでは暗に持ち運びに向いていないような記述がありますが、コンパクトで軽量なので持ち運びが多い人でも使いやすいと思います。先日レビューをしたHPの14型Chromebookも1.6㎏だったので、15.6型で同じ重さはすごいと思います。
カラーはナチュラルシルバーとモダンゴールドの2種類になり、Celeronモデルはナチュラルシルバーのみです。HPはカラーが選べるので、うれしいですね。
筐体のエッジは丸みを帯びていて、優しい印象を与える外観です。
天板にはHPのロゴがあり、シンプルな見た目です。
キーボード
キーボードはテンキー付きですが、バックライトは付いていないようです。キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は18.7×18.7㎜でと比較的余裕があり、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.5㎜と普通なので、タイピングはしやすいと思います。
また、指紋センサーも搭載しているので、サインインも速いし、セキュリティ的にも安心ですね。
CPU
製造プロセス | コア/スレッド キャッシュ |
グラフィックス | ベースクロック シングルコアターボ時 |
TDP | |
Core i5-1135G7 | 10nm SuperFin |
4/8 8MB |
Iris Xe | 2.4GHz 4.2GHz |
28W |
Core i3-1115G4 | 10nm SuperFin |
2/4 6MB |
UHDグラフィックス | 3GHz 4.1GHz |
28W |
Celeron N4500 | 10nm | 2/2 4MB |
UHDグラフィックス | 1.1GHz 2.8GHz |
6W |
プロセッサーは最新の第11世代で、Core i5を選んだ場合はグラフィック性能が高いIris Xeになります。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1165G7 | |
---|---|
Core i5-1135G7 | |
Core i7-1065G7 | |
Core i5-1035G1 | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 3 3250U | |
Athlon 3050U | |
Celeron N4500 |
Celeronはかなり控えめな性能ですが、Coreシリーズはビジネス用途でも快適に使えるほどの性能です。
グラフィックス
グラフィック性能が高いとOfficeワークや複数画面での作業、クリエイティブワークがしやすくなります。スペックによって性能は変わるので、下グラフは参考値として見てください。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
MX450 | |
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Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
MX250 | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 7 4700U | |
Iris Plus | |
UHD |
グラフィック性能は特殊なことをしない人であれば、気にしなくて大丈夫です。もし、画像編集などをするという人は、Core i5がおすすめです。
ディスプレイ
ディスプレイは低価格モデルにしてはうれしい、FHD IPS液晶になります。上位モデルと同じディスプレイで、解像度も高く視野角も広いので、見やすいディスプレイです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
Coreモデルの搭載メモリはDDR4-3200MHzで、CeleronモデルはDDR4-2933MHzです。この動作周波数が高いとより早くデータ処理ができるので、高速表示になります。3200MHzは現行最高周波数なので、激速です!
また、メモリスロットが2つあるので、メモリの増設も可能です。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps~32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分 |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機種にはM.2 SSD PCIe NVMeが搭載で転送速度が速いので、パソコンの起動もデータ移動もサクサクです。
ちなみにCeleronモデルを選んでもストレージがSSDなので、比較的快適に使えると思います。
セキュリティ
セキュリティには、Windows 11必須のTPM 2.0が搭載です。TPM(トラステッド・プラットフォーム・モジュール)は独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できます。
他にも、Windows標準搭載のWindows Defenderと言うマルウェアやフィッシングなどのウイルスセキュリティがあるので、安心して使えます。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。今まで5GHzにしか対応していなかった周波数が、2.4GHzと5GHzと2バンドに対応しており、また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、カフェなどの混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
ただし、CeleronモデルはWiFi5になります。
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間は、最大7.5時間になります。HPの普段使いモデルでは普通ですが、一日外出するような場合は充電アダプターやモバイルバッテリーの持ち運びが必要な人もいると思います。
インターフェイス
左側面インターフェースは電源、USB-Aが2つです。
右側面インターフェースはSDカードリーダー、ヘッドフォン/マイクジャック、USB-C、HDMIになります。
全てのUSBの最大転送速度は5Gbpsになり、USB-Cには映像出力機能などはありません。
低価格モデルでUSB-Cがあるので、上出来だと思います。
サポート・保証
HPでは「1年間の使い方サポート」と「1年間の引き取り修理保証」が標準でついていて、電話やLINE、ツイッターでもサポートをしています。購入時に詳しく書かれた「パソコン入門」もあるので、初めてパソコンを買う人でも設定から使い方まで、分かりやすいと思います。
また、保証は最長3年まで延長でき、引き取り修理じゃなく出張修理もあります。
引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
出張修理・・・家や事務所に来て現場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
まとめ
低価格・低性能モデルから、ビジネス用途でも使える性能のモデルがあり、個人的にきれいにまとまった構成だと思います。価格が価格なので高望みできませんが、特にマイナスポイントもなくしっかりした印象がありますね。
言い換えるとあまり特徴がなく、価格も性能も「普通」です。これが良いか悪いかは求めているスペックによりますが、普通に使える普通の性能のノートパソコンを探しているなら、本機種は候補に入ると思います。