最新のRyzen 5000シリーズ搭載機種で、ディスプレイが縦に長い16:10の画面縦横比率になっています。14型以上の情報が表示できるので、より作業がしやすくなります。
全体的に「欠点が見当たらない機種」で、普段使い用はもちろん、ビジネス用途でも十分に使える機能と性能です。
ピンクベージュとセラミックホワイトの2種類があり、カラーが選べるのもポイントが高いですね。
Contents
Pavilion Aero 13-be0000のスペックレビュー
APU | Ryzen 5 5600U Ryzen 7 5800U |
---|---|
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
グラフィックス | Radeonグラフィックス |
ディスプレイ(13.3型) | WUXGA IPS 400nit sRGB 100% |
OS | Windows 10 Home、Pro |
無線 | WiFi6 |
生体認証 | 指紋センサー |
Microsoft Office | Office Home &Business 2019搭載モデルあり |
セキュリティ | TPM、パワーオンパスワード、アドミニストレーターパスワード |
寸法(幅x奥行きx高さ) | 298 x 209 x 16.9㎜ |
重さ | 957g |
バッテリー | 10.5時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 9.3万円~ |
パソコンの頭脳であるAPUは最新のRyzen 5000シリーズで、上位モデルのZen 3 アーキテクチャになります。Ryzen 5000シリーズは性能がかなり高いのですが、その中でもより性能が高いAPUが搭載です。
メモリはオンボード・最大16GBと大きく、ストレージはM.2 PCIe NVMeの高速モデルなので、パソコンの起動やアプリの起動、Web閲覧も快適です。
ディスプレイはWUXGAと言ってフルHD相当ですが、画面の縦横比が16:10と縦に長いので13.3型と言っても14型以上の情報が表示されます。小型で持ち運びもしやすく、14型以上に作業がしやすい仕様です。
指紋センサーやWiFi6はもちろん、TPMなどのビジネスPCに搭載されるセキュリティも付いているので、安心して使えますね。
重さはたったの957g!!1㎏を切るPCはかなり軽く、持ち運びが楽ちんです。それでいてバッテリー駆動時間は10.5時間と比較的長いので、外出時は充電アダプターの持ち運びは必要ない人が多いと思います。
一応Pavilionは普段使い用の機種ですが、外出が多いビジネスパーソンにも合うし、もちろん学生などにも便利な機種です。
モデルは以下の3種類があり、
- パフォーマンスモデル・・・Ryzen 7、メモリ16GB、SSD 512GB
- スタンダードモデル・・・Ryzen 5、メモリ8GB、SSD 256GB
- スタンダードプラスモデル・・・Ryzen 5、メモリ16GB、SSD 512GB
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/Pavilion 13-bb0000>
正確に言うと旧モデルでは無いのですが、同じPavilionの人気機種でPavilion 13-bb0000との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | Pavilion 13-bb0000 | |
CPU | Ryzen 5 5600U Ryzen 7 5800U |
Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 |
メモリ | 16GB(3200MHz) | 8GB(3200MHz) |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 512GB |
ディスプレイ 画面比 |
WUXGA IPS 16:10 |
FHD IPS 16:9 |
無線 | WiFi6 | WiFi5 |
バッテリー | 10.5時間 | 8.5時間 |
重量 | 957g | 1.3㎏ |
価格 | 9.3万円~ | 6.4万円~ |
比較機種は2020年12月に販売開始したばかりの機種で、以前に比べベゼル(画面の黒い枠)も細く性能も高いので人気の機種です。
本機種は値段を見ても分かるように上位モデルで、以下のような特徴があります。
- 画面比が16:10
- WiFi6に対応
- バッテリー駆動時間が長い
- 超軽量
また、プロセッサーも比較機種はCore i5までですが、本機種はRyzen 7と上位モデルが搭載できます。こちらはAPUの性能を表すPassmarkスコアです。スコア7000ほどで、ビジネス用途でも快適に使える性能になります。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
AMD Ryzenはプロセッサーの性能がかなり高く、デスクトップ並みの性能です。ただし、インテル製はグラフィック性能が高いので、画像編集や動画編集をする人はPavilion 13-bb0000の方が使いやすいかもしれません。
ライバル機種
<左から本機種・Envy 13-ba1000・Lenovo Yoga Slim 750i Carbon>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Envy 13-ba1000 | Yoga Slim 750i Carbon | |
CPU | Ryzen 5 5600U Ryzen 7 5800U |
Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
メモリ | 16GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 1TB | SSD 1TB |
グラフィックス | Radeon | Iris Xe MA450 |
Iris Xe |
ディスプレイ | WQXGA 画面比16:10 |
FHD、UHD 画面比16:9 |
WQXGA 画面比16:10 |
無線 | WiFi6 | WiFi6 | WiFi6 |
バッテリー | 10.5時間 | 13時間 | 14時間 |
重量 | 957g | 1.3㎏ | 966g |
価格 | 9.3万円~ | 9.3万円~ | 11.8万円~ |
各機種の特徴です。
- 本機種・・・超軽量で外出が多く、CPU性能もピカ一なのでサクサク作業を進めたい人向け
- Envy 13・・・上位モデルだが、画面比が通常の16:9なので情報表示量は若干減る。ただし、4K UHDディスプレイ搭載可能、バッテリーも13時間と長め、そして一番安い
- Yoga・・・カーボン素材の機種で、画面比も同じく16:10と縦に長くバッテリー駆動時間が最長。長時間外出先で作業をすることがある人におすすめ
また、本機種以外はインテル製プロセッサーを使用しており、グラフィック性能が高いので画像・動画編集などのクリエイティブワークにも向いています。
こちらはグラフィック性能を表すVideo Card Benchmarksのベンチマークです。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
本機種Ryzenは「内蔵グラフィックス」としては普通以上で、特に困ることは無いと思います。ただし、インテルはグラフィック性能が高いですね。
メリット・デメリット
本機種のメリット・デメリットです。
良い点
・小型軽量で持ち運びがしやすい
・マグネシウム合金で高級感がありおしゃれ・傷もつきにくい
・WiFi6に対応
残念な点
・特になし。
あえて言えば、バッテリー駆動時間がもうちょっと長ければよかったと思いますが、バッテリーの容量を増やすと重くなりここまで軽くならないと言う副作用もあるので、本機種に限って言えば十分なバッテリ―駆動時間かなと思います。
Pavilion 13-be0000の特徴
本機種はかなりベゼル(画面の黒い枠)が細く、おしゃれですね。ここまでベゼルが細いパソコンも珍しいです。
もちろんベゼルだけじゃなく、筐体自体もスリムで、
- 幅298㎜・・・千円札2枚分(300㎜)
- 奥行き209㎜・・・500mlペットボトルの高さ(205㎜)
- 高さ16.9㎜・・・一円玉の直径(20㎜)の85%
と、ほぼ同じ寸法です。A4サイズ(297×210㎜)と比較すると、縦+1㎜、横-1㎜と同じサイズですね。小型です。
幅は最薄部が16.9㎜、最厚部が18.9㎜と薄いので、カバンにもすっぽり入りやすいし、重さはたったの957gなので持ち運びが楽です。一般的な13型の重さは1.3㎏なので、いかに軽いかが分かりますね。
カラーはセラミックホワイトとピンクベージュの2種類があり、色が選べるのもさすがHPですね。
ちなみにディスプレイを開く開閉部分が「くの字」になっており、指に引っ掛かるので開けやすくなっています。
素材
素材は耐久性も高く、高級感のあるマグネシウム合金です。通常のPavilionは樹脂素材がほとんどですが、本機種は上位モデルなので素材から違うものを使用していますね。
キーボード
HPのキーボードは特徴的で、通常一番端にある「Enterキー」や「バックスペースキー」が1つ中に入っており、若干慣れが必要かもしれません。
キーボードは暗がりでも作業がしやすいバックライト付きで、キーピッチ(キーの中心から次のキーまでの距離)は縦横18.7㎜×18.4㎜と13型なのに大きめなので、手が大きな人でも使いやすいと思います。
キーストローク(キーを押し込む距離)は1.3㎜と薄型PCにしては良いかなと思いますが、軽めのタッチでタイピングした方が打ちやすいと思います。
CPU
Ryzen 5 5600U | Ryzen 7 5800U | |
アーキテクチャ | Zen 3 | Zen 3 |
---|---|---|
コア/スレッド | 6/12 | 8/16 |
キャッシュ | 16MB | 16MB |
GPUコア | 7 | 8 |
基本クロック | 2.3GHz | 1.9GHz |
ブーストクロック | 4.2GHz | 4.4GHz |
TDP | 15W | 15W |
アーキテクチャが最新のZen 3になっており、キャッシュ容量が倍になったりとパフォーマンスが向上しています。
Zen 2とZen 3の変更点はいろいろありますが、大まかなものは以下になります。
- コアからアクセスできるL3キャッシュが倍増(パフォーマンス向上)
- IPCが19%向上し、電力当たりのパフォーマンスが最大24%UP
- シングルスレッドの性能が最大23%UP
- マルチスレッドの性能が最大108%UP
- バッテリー効率が上がった
また、多くのRyzen 4000シリーズは1コア当たり1スレッドでしたが、Ryzen 5000シリーズは全てが「マルチスレッディング」に対応したため、1コア当たり2スレッドになっています。このおかげで、より多くのデータを同時に処理できるようになりました。
<アプリの数は例>
いくつものタブやアプリ、ソフトを開けて作業する人は、特に使いやすくなっています。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
一番上のCore i7-10700Kはデスクトップ用のハイエンドCPUですが、Ryzen 7 5800Uはほぼ同じスコアですね。すごいです・・・。
Ryzen 5でもCore i7やi5より50%ほど高い性能なので、どちらを選んでもサクサク快適に使えますね。
こちらはCinebench R23のスコアで、マルチコア性能はパソコンの総合性能、シングルコア性能はクリエイティブワークをするときに気にする性能です。
Cinebench R23
オレンジ色・・・マルチコア 青・・・シングルコア
Core i7-11800H | |
---|---|
Core i5-11500H | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 5 5700U | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1185G7 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 |
マルチコア性能はRyzenが飛びぬけて高いですが、シングルコア性能はインテルが高いですね。
グラフィックス
グラフィック性能が高いと、動画編集や画像編集、3Dゲーム、そして複数画面を使ったり、Officeワークなどもやりやすくなります。
グラフは先ほど紹介した、Vide Card Benchmarksの性能です。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7は内蔵グラフィックスとしてはかなり高い性能で、Ryzen 5も普通以上と言った感じですね。
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 | 色域 |
WUXGA 1920×1200 |
なし | IPS | 400nit | sRGB 100% |
WUXGA | 画面比が通常の16:9の場合は、FHDと呼ばれ解像度が1920×1080。本機種は縦に長いので1920×1200 | |||
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい | |||
液晶 | IPS液晶はコントラスト比が高く、視野角も広い | |||
nit | 明るさを表す単位。通常250前後が標準 | |||
色域 | sRGB 100%はWeb用画像編集にも向いているほどの広色域 |
高解像度のWUXGAで、コントラスト比が高く視野角も広いIPS液晶なので見やすいディスプレイです。また、画面の縦横比が16:10と縦に長いので、より多くの情報が表示されます。
これは13.3型16:10のディスプレイ(左)と、14型16:9のディスプレイを並べたものですが、左の13.3型の方が縦に表示される情報が多いですよね。なので、小型パソコンなのに14型以上に作業がしやすいので、作業効率も上がります。
こちらは一般的なノートパソコンに搭載されるディスプレイ(左)と、sRGB 100%(NTSC 72%相当)のディスプレイ(右)を一眼カメラで撮影したものですが、右の方が色鮮やかですよね。Webサイトを見ても、全然色が違うし、画像や動画を見る時もより鮮やかです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR4-3200MHzで、オンボード最大16GBになります。ここ最近、16GBも搭載できる機種が増えたので、ヘビーユーザーも助かりますね。また、動作周波数(MHz)が最高の3200MHzなので、処理速度が速いです。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps~32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分 |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機種には最速モデルのM.2 PCIe NVMeが搭載なので、激速です!
セキュリティ
セキュリティはビジネスPCに搭載されるTPMもあり、強固なセキュリティになっています。
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれます。
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- マカフィーリブセーフ・・・マカフィーのセキュリティソフトで30日無料版が付属。延長可能
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。今まで5GHzにしか対応していなかった周波数が、2.4GHzと5GHzと2バンドに対応しており、また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、カフェなどの混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
バッテリー駆動時間
バッテリーは3セルで、最大10時間30分の駆動時間になります。また、45分で50%の充電ができる急速充電機能「HPファストチャージ」機能も搭載なので、急な外出が入ってもサクッと充電して出かけることができますね。
バッテリーはそこそこ長いので、外出時は充電アダプターなどの持ち運びが必要ない人が多いと思います。
インターフェイス
左側面インターフェースはHDMI 2.0、USB-A(最大データ転送速度5Gbps)、USB-C(同10Gbps、充電/給電・Display Port出力機能)、ヘッドフォン/マイクジャックがあります。
右側面にはUSB-A(同5Gbps)と電源コネクタになります。
一般的な使い方であれば、十分なポートがありますね。
サポート・保証
HPでは「1年間の使い方サポート」と「1年間の引き取り修理保証」が標準でついていて、電話やLINE、ツイッターでもサポートをしています。購入時に詳しく書かれた「パソコン入門」もあるので、初めてパソコンを買う人でも設定から使い方まで、分かりやすいと思います。
また、保証は最長3年まで延長でき、引き取り修理じゃなく出張修理もあります。
- 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
- 出張修理・・・家や事務所に来て現場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
まとめ
個人的にPavilioシリーズと言うよりも、上位モデルのEnvyシリーズに近い機種だと思います。というよりも、多くのEnvyよりも高性能・高品質になっているので、本機種は特別な機種ですね。
性能はRyzen 5000シリーズの上位モデルが搭載可能で、メモリも最大16GBと大容量、SSDも高速タイプのM.2が搭載なので、普段使いはもちろんビジネス用途でも十二分に使えます。
マグネシウム合金の筐体でカラーも2種類あり、しかもおしゃれ!
全体的に見ても欠点が無い「完成された機種」だと思います。