Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12のレビュー 大きく変化した新しいX1 Carbon

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Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12のレビューです。

さすがレノボのフラッグシップモデルといった機種で、全体的に大きく性能がアップしました。かゆいところまで手が届くようなスペックで、ワンランク、ツーランク上のPCです。

ただし、多くの点が変更しており、賛否が分かれるかもしれません。

当サイトの評価は、このようになりました。

スペック 4.8 out of 5 stars
コスパ 4.2 out of 5 stars
総合評価 4.8 out of 5 stars

 

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ThinkPad X1 Carbon Gen 12のスペック

CPU Core Ultra 5 125U/135U
Core Ultra 7 155U/165U
Core Ultra 5 125H
Core Ultra 7 155H
メモリ LPDDR5X 最大64GB
ストレージ SSD 最大2TB
グラフィックス 内蔵グラフィックス
ディスプレイ(14型) WUXGA IPS タッチパネルあり
2.8K OLED
OS Windows 11 Home/Pro
無線 Wi-Fi 6E、LTE/5Gあり
生体認証 顔認証、指紋センサー
WEBカメラ 1080p FHD
4K(8MP)+MIPI
オーディオ ドルビーアトモス
寸法(幅×奥行×高さ) 312.8 × 214.75 × 14.96mm
重さ 1.09㎏~
バッテリー(JEITA 3.0) 最大約12.8時間
標準保証 1年間
価格 22.1万円~

<性能評価>

 

パソコンの頭脳であるCPUはインテル第14世代Core Ultraが搭載で、vPro対応モデルも含め4種類販売中ですが、仕様書にはCore Ultra 5 125HとCore Ultra 7 155Hも記載されているので、後々これらも販売されると思います。

Uシリーズは省電力モデルで、末尾がHのものはハイパフォーマンスモデルで、バッテリー重視ならUシリーズ、性能重視ならHシリーズがよいです。また、14世代CPUはNPUコアが搭載しAI関連の性能が上がっています。ここ最近何かと使うことなので、よりサクサク快適になりますね。

メモリはLPDDR5X-7500MHzと周波数が高く、オンボード最大64GBになります。ヘビーユーザーにも対応できる容量です。

ストレージはSSD PCIe 4.0が搭載で、最大2TBと大容量です。PCIe 4.0はデータ転送速度が爆速で、アプリの立ち上げもパソコンの起動もサクサクです。

グラフィックスはUシリーズがインテルグラフィックス、HシリーズはインテルArcグラフィックスになります。Arcはグラボ並みの性能があり、画像編集や動画編集などグラフィック性能が必要なことをする人は、Hシリーズが出るまで待っていた方が良いかもしれません。

ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、14インチでも15インチ並みの情報が表示されます。解像度はWUXGA(1920×1200ドット) IPS液晶か、2.8K(2880×1800ドット) OLEDディスプレイの2種類があり、WUXGAはタッチパネルモデルもあります。

OLEDディスプレイはリフレッシュレートが120Hzと高く、高色域のDCI-P3 100%になっています。映像編集をする人にも使えるスペックです。

その他のスペックはOSはWindows 11 HomeかProが選べ、WEBカメラとマイクはコミュニケーションバーに集約され、高画質FHDか超高画質4K(800万画素)があり、4Kは人感検知機能付きです。

無線はWi-Fi 6EにLTE、そして5Gも搭載可能で、若干ですがGen 11よりもコンパクトな筐体になりました。最軽量モデルは1.09㎏で、最大約12.8時間(動画再生時)のバッテリー駆動時間があります。

X1 Carbon史上最高のスペックで、ぐんと性能が上がっています。また、快適に動作する証であるEvoプラットフォームも準拠しており、さすがX1 Carbonといったスペックです。

 

 

公式サイト

 

2024年のトレンドと比較

2024年のハイエンドノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)

14世代CPU DDR5 PCIe 4.0 アスペクト比16:10
Wi-Fi 6E sRGB 100%以上 輝度300nit以上 1080P Webカメラ
Thunderbolt 4 生体認証 重量1.4㎏前後 バッテリー10時間以上

X1 Carbonなので当然ですね。全部〇です。

 

 

旧モデルとの比較

<左/本機種・右/Gen 11>

旧モデルのX1 Carbon Gen 11との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)

本機種 旧モデル
CPU Core Ultra 5 125U/135U
Core Ultra 7 155U/165U
Core Ultra 5 125H
Core Ultra 7 155H
Core i5-1335U/1345U
Core i7-1355U/1365U
Core i7-1370P
メモリ LPDDR5X-7500 64GB LPDDR5-6400 64GB
ストレージ SSD 2TB SSD 2TB
ディスプレイ WUXGA IPS
2.8K OLED
WUXGA/2.2K IPS
2.8K OLED
無線 Wi-Fi 6E、LTE/5G Wi-Fi 6E、LTE/5G
バッテリー 12.8時間(JEITA 3.0) 28.5時間(JEITA 2.0)
重量 1.09㎏ 1.12㎏
寸法 312.8 × 214.75 × 14.96mm 315.6 × 222.5 × 15.36mm

主な変更点です。

・CPUが14世代に
・グラフィック性能が大きく上がった(Hシリーズのみ)
・メモリの動作周波数が上がった
・2.2Kが廃止
・コミュニケーションバーが搭載
・4K Webカメラが追加
・感圧式クリックパッドが追加
・トラックポイントクイックメニューが追加
・スピーカーが4つから2つになった(が、スピーカーが大きくなったため音質は同等かそれ以上とのこと)
・FnとCtrlボタンの位置が一般的なPCと同じになった
・電源ボタンが右側面に移動
・底面排気口が2つになった
・指紋センサーがキーボードに搭載

変更点を上げたらきりがないくらい変化しており、性能はすごく上がっていますね。ThinkPad Zシリーズに採用されている機能がいくつも追加されています。ただし、長年ThinkPadを使ってきた人には「嫌な」変更点もありますね。

例えばThinkPadと言えば、Fnボタンが一番左でその右横に左Ctrlボタンがありましたが、これが一般的なPCの様にCtrlボタンが一番左に来ています。設定で入れ替え可能ですが、目視すると違和感がありますね。

また、2 in 1 PCの様に電源ボタンが側面に移動し、今までは指紋センサー統合の電源ボタンでしたが、指紋センサーはキーボード内に配置されています。

付け加えると、今まではツイーター2つとウーファー2つがありましたが、スピーカーは2つになっています。

 

こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。

CPU Markスコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル

Core Ultra 7 155H  24271
Core i7-1370P  22664
Core i5-1340P  20197
Core Ultra 5 125H  20071
Core Ultra 5 135U  18742
Core i5-1345U  18673
Core Ultra 5 125U  17921
Core Ultra 7 165U  16756
Core i7-1365U  16232
Core i7-1355U  16378
Core Ultra 7 155U  15059
Core i5-1335U  13220

Uシリーズのパスマークスコアは微増で、HシリーズはUltra 7が10%弱上がっていますね。ただし、以前はなかったNPUが14世代にはあるので、AI関連の性能は高くなっています。

それでは、特徴をご紹介します。

 

 

Intel Evo Editionプラットフォームに準拠

Intel Evo Editionプラットフォーム

本機は5世代めのEvoプラットフォーム認証に準拠している特別な機種です。

Evoは14世代CPUを搭載しているすべてのPCが準拠しているわけじゃなく、下記項目を満たす「ハイスペックなノートパソコン」のみがEvo認証を得ることが出来ます。

14世代CPU搭載のEvoプラットフォーム認証の主な要件は75を超え、Intel曰く「高性能、高速充電、長寿命バッテリー、即時起動、クラス最高の接続性、および最適なサイズと重量など、75 を超える項目について、妥協することない高い水準をクリアする必要がある」とのことです。

以下は要件の一部です。

  • Core Ultra 5/7/9搭載
  • Intel Arc、もしくはdGPU搭載
  • アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
  • 電源を問わずにレスポンスが良い事
  • フルHDで実利用10時間以上のバッテリー駆動時間
  • フルHD以上
  • 1.5秒以内でスリープから復帰
  • 生体認証/近接デバイス認証対応
  • 30分の充電で4時間以上駆動
  • 15㎜以下(iGPU)もしくは20㎜以下(dGPU)の厚さ
  • Wi-Fi 6E実装
  • Intel CPS(Connectivity Performance Suite)に対応
  • フルHD以上のWebカメラを搭載
  • 音声ノイズ抑制や背景ぼかしなどの機能
  • Windowsスタジオエフェクト対応
  • Thunderbolt 4搭載
  • EPEATR Silver以上などサステナブルであること
  • Intel Unisonのサポート

 

インテル第14世代CPU搭載

Intel 14世代CPUのロゴ

Core Ultra 7 155H Core Ultra 5
125H
製造プロセス Intel 4(7nm)
P/E/LPコア 6/8/2 4/8/2
スレッド 22 18
キャッシュ 24MB 18
Pコア最大クロック 4.8GHz 4.5GHz
Eコア最大クロック 3.8GHz 3.6GHz
Xコア 8 7
ベースパワー 28W
マックスパワー 115W
Core Ultra 7 155U/165U Core Ultra 5
125U/135U
製造プロセス Intel 4(7nm)
P/E/LPコア 2/8/2 2/8/2
スレッド 14 14
キャッシュ 12MB 12MB
Pコア最大クロック 4.8/4.9GHz 4.3/4.4GHz
Eコア最大クロック 3.8GHz 3.6GHz
Xコア 4 4
ベースパワー 15W
マックスパワー 57W

CPUは今までのようにPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)も搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。

また、14世代からLP Eコアという低消費電力コアも搭載しており、よりバッテリーが長持ちしやすくなっています。

AI専用のプロセッサーであるNPUを搭載し、グラフィックスはIntel Arcベース(Hシリーズ)かIntel Graphics(Uシリーズ)になっています。

ここ最近PhotoshopなんかでもAI生成などAIを使うことが増えており、こういった作業をNPUがやるので全体的なパフォーマンスが上がりますね。また、Hシリーズのグラフィック性能は大きく上がったので、グラボなしでも作業がしやすくなりました。

Core Ultra 7 165UとCore Ultra 5 135UはvPro対応モデルで、企業で多くのPCを一括管理をする場合に便利です。

こちらはCPUの性能を測るCPU Markのスコアです。スコアは公開されているものや、当サイトで計測したものになります。

CPU Markスコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core Ultra 9 185H   33266
Core i9-13900H   29430
Core i7-13700H   27666
Core Ultra 7 155H   24271
Core Ultra 5 125H   24203
Core i5-13500H   23206
Core i7-1370P   23042
Core i5-1340P   20922
Ryzen 7 7730U  19034
Core Ultra 5 135U  18742
Core i7-1260P   18691
Core Ultra 5 125U  17921
Ryzen 5 7530U  17704
Core i5-1240P  17318
Core Ultra 7 165U  16756
Core i7-1355U  16378
Core Ultra 7 155U  15059
Core i5-1335U   13220

 

こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。

マルチコアシングルコア

マルチコア性能

オレンジ色・・・本機 青・・・比較

Core Ultra 7 155H  12749
Core i9-13900H  12608
Core Ultra 7 165H  12545
Core i7-13700H  12410
Core i5-13500H  12215
Core Ultra 5 125H  10242
Core Ultra 5 135H  10239
Core Ultra 7 155U  9716
Core Ultra 5 135U  9396
Core i5-1335U  8102

シングルコア性能

オレンジ色・・・14世代 青・・・13世代

Core i9-13900H  2819
Core Ultra 9 185H  2522
Core Ultra 7 165H  2502
Core i7-13700H  2426
Core Ultra 7 155U  2354
Core Ultra 7 155H  2294
Core Ultra 5 135H  2247
Core i5-1335U  2319
Core i5-13500H  2378
Core Ultra 5 125H  2184
Core Ultra 5 135U  2174

Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。

マルチコアシングルコア

マルチコア性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core Ultra 9 185H  ??
Core i9-13900H  18874
Core Ultra 7 155H  16825
Core i7-13700H  16201
Core Ultra 5 125H  11000
Core i5-13420H  9948
Core i7-1355U  9033
Core i5-1235U  5545
Core i5-1340P  5251
Core i5-1335U  5104

シングルコア性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core Ultra 9 185H  ??
Core Ultra 7 155H  1761
Core i7-13700H  1704
Core i5-13420H  1661
Core Ultra 5 125H  1646
Core i5-1340P  1532
Core i5-1335U  1514
Core i5-1235U  1472

 

 

高性能内蔵グラフィックスIntel Arcグラフィックスあり

グラフィクスはCore Ultra 5 125U/135UとCore Ultra 7 155U/165Uはインテルグラフィックスで、13世代のIris-Xeと同じですが名称が変わっています。

Core Ultra 5 125HとCore Ultra 7 155HはインテルArcグラフィックスで、14世代CPUの目玉の1つです。Arcはかなり高い性能で、計測したベンチマークではグラフィックボードのGTX 1650 Max-Qよりも高い性能です。

画像・動画編集をするならHシリーズが、画像編集なし、もしくは簡単な画像編集をするような人であればUシリーズでよいと思います。

DirectX 11で動作するFire Strikeのスコアです。

Fire Strike

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

RTX 4060  23768
Radeon RX 6600M  19910
RTX 4050  18269
RTX 3060  17853
RTX 2070 Max-Q  15624
RTX 2060 Max-Q 13876
GTX 1660 Ti 13074
RTX 3050 Ti 11768
RTX 3050 10718
GTX 1650 8033
Core Ultra 5 125H 7888
GTX 1650 Max-Q 6861
Arc A350M 6770

 

Night RaidはCPU内蔵グラフィックス向けのDirectX 12のベンチマークです。

Night Raid

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

RTX 4050  43397
RTX 3050  39341
RTX 3050 Ti  34440
GTX 1650 Ti  27333
Core Ultra 5 125H  26164
GTX 1650 Max-Q  20322

 

Wild Lifeはクロスプラットフォームのベンチマークで、PCやタブレット、スマホなどとスコアの比較ができます。

Wild Life

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

RTX 4050 51293
RTX 3050  34590
RTX 3050  33448
RTX 3050 Ti  29016
GTX 1650 Ti  23752
Core Ultra 5 125H  23037
GTX 1650 Max-Q  16974

 

 

2.8K OLEDディスプレイ搭載可能

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12 ディスプレイ

ディスプレイは現在3モデルが販売されていますが、仕様書にはもっと記載されていいます。

  1. 2.8K OLED 、マルチタッチ対応、ブルーライト軽減​
  2. 2.8K OLED、ブルーライト軽減
  3. WUXGA IPS液晶、Privacy Guard、光沢なし​​
  4. WUXGA IPS液晶、マルチタッチ対応、省電力、ブルーライト軽減、光沢なし
  5. WUXGA IPS液晶、省電力、光沢なし

全モデル光沢なしで、現在販売されているディスプレイはすべて400ニトになります。OLEDディスプレイのみリフレッシュレートが120Hzとぬるぬるで、ゲームもしやすいです。

画面アスペクト比が16:10と縦に長く、14インチでも15インチ並みの情報が表示されます。

今まで以上に一目で見て取れる情報量が増え、作業効率もアップします。WUXGA(1920×1200ドット)はIPS液晶、2.8K(2880×1800ドット)はOLEDディスプレイを採用し、89.2%の画面占有率になります。

WUXGAはWeb用画像編集に合うsRGB 100%の色域で、2.8Kは映像編集向けのDCI-P3 100%と高色域です。

左から2.8K OLED DCI-P3 100%、WUXGA IPS sRGB 100%、そして一般的なPCに搭載されるFHD IPS NTSC 45%になります。クリエイティブワークをする人だけじゃなく、動画配信を見る人や画面をシェアすることがある人にも合います。

また、OLEDディスプレイは完全な黒を描写でき、コントラスト比は10万対1、そしてHDR True Black 500対応とメリハリのある描写が可能です。

 

輝度は400ニトで、こちらは輝度の目安です。500ニトのディスプレイもあるようですが、未確認です。

220ニト 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える
250ニト 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える
300ニト 屋外の日陰でも見える
400ニト 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい
500ニト 屋外向け
600ニト 画面に直射日光が当たっても比較的見える

 

 

超高画質800万画素WEBカメラ搭載可能

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12 4K Webカメラ

WEBカメラは高画質のFHD(約200万画素)か、超高画質の4K(約800万画素)があります。800万画素って、外付けWebカメラのスペックですね・・・。FHDでも十分きれいですが、4Kとなると配信用にも使えますね。ちなみに4Kを選んでも、そんなに解像度が必要ないときはFHDに画質を落とすことができます。

4KにはMIPI人感検知機能付きで、「ゼロタッチログイン」と呼んでいるタッチレスログインや、オートロック機能があります。

また、今までL字型のマイクだったものがI字型になり、収音性能も上がったとのことです。

遠距離マイクが2つ、そして周囲の騒音があるときや複数人で会議をしているときに、自動的に音量を調整するDolby Voiceにも対応しています。

また、Windows Studioエフェクトによるオートフレーム機能や背景ぼかし機能、カメラ目線に補正するアイコンタクト機能などもあります。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12 背面

筐体上部に乗っている長丸のバー・コミュニケーションバーは、2022年にThink Book Zシリーズで最初に採用されました。

 

オーディオはドルビーアトモス対応の2Wスピーカーが2つで、Gen 11はスピーカーが4つあったのですが、Gen 12のスピーカーは大きくなったので、音質は同等以上かそれ以上ということです。

Dolby Atmosは一般的なオーディオの様な平面的じゃなく、立体的な音を体感できるので、動画・音楽視聴にも合います。

スピーカーは筐体内部にあり、音が出る穴がありません。本機はキーボードの隙間から音が出てきます。

 

 

感圧クリックパッド選択可能キーボード

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12 選べるクリックパッド

キーボードは今までと同じ3ボタンクリックパッドと、ThinkPad Zシリーズで採用されている感圧式クリックパッドを選択できます。

感圧式クリックパッドとは、クリックパッド(タッチパッド)を押したとき実際には押し込んでいないのに押し込んだような感触があるタッチパッドです。

これ、不思議なんですよね~。しかも、タッチ解像度も通常の4倍になっているらしく、クリックパッドを広く使えるというメリットがあるんです。

3ボタンクリックパッドは120×56㎜、感圧クリックパッドは120×70.9㎜となっています。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12 キーボード<感圧式クリックパッド>

感圧クリックパッドは、上の3つボタンがないので慣れが必要ですが、ThinkPad Z13で初めて感圧クリックパッドを使ったときは使いにくかったです。

キーボードはもちろんUSキーか日本語キーが選べ、スペースキー右側にあったPrtScキーがなくなり、なぜだか指紋センサーが搭載しています。今までは電源ボタンに統合されていたので電源を入れたらサインインも完了していましたが、今回からは二度手間ですね。

また、ついにと言っていいかわかりませんが、Ctrボタンがついに左端に移動し、Fnキーが中に入りました。Ctrl⇔Fnボタンの変更はできますが、長年のThinkPadユーザーから悲鳴が聞こえてきそうな変更です。

筆者は、むしろ歓迎です。というのも、私はいくつものパソコンをレビューしたり、外出用やこの部屋で使うPCとか、実家用とか使い分けているのでThinkPadだけを使うわけじゃないんですよね。ちなみに今は、IdeaPad Slim 5i Gen 9を使って書いていますし(メインPCはX1 Carbonです)。

なので、他のPCと位置を合わせてくれた方が使いやすいんですよね。読者の中にも会社の支給PCはThinkPadだけど、プライベートでは違う機種を使う人も多いと思います。今後はミスが減ると思います。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12 キーの突起

アクセシビリティ向上のため、エンターキーやFnキー、F2とF3キーに突起が付きました。

また、トラックポイントをダブルタップすると、TrackPoint Quick Menuがポップアップし、カメラやマイク、ノイズ抑制などの設定ができるようになりました。これも、ThinkPad Zシリーズで採用されていますね。

 

 

その他の特徴

 

外観

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12 正面

画面占有率は89.2%と、ベゼルがすごく細くいですね。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12 右斜め前から

Gen 11もかなりコンパクトな筐体でしたが、本機は幅312.8㎜、奥行き214.75㎜、高さ14.96㎜となっています。Gen 11と比べると幅-2.8㎜、奥行き-7.75㎜、高さ-0.4㎜と、よくこんなに小さくできたなと思います。

小さいだけじゃなく、本機はMIL-STD 810Hと言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。

また、個人的にすごく重要な点で、指1本でディスプレイを開くことができます。片手に書類やコーヒーなど持っていても、指一本でサクッと開いて使い始めることができます。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12 天板

トップにはカーボンファイバーを、底面にはアルミニウムを使用し、天板はブラックペイントか編み込み柄があります。コミュニケーションバーが大きいので、違和感がある人もいるかもしれませんが、おしゃれでかっこいいです。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12 底面

以前は小さな排気口が1つだけでしたが、本機は2つになっています。

 

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12 左側面

USB-AやHDMIが搭載して、15㎜以下の厚さです。

 

 

メモリ

メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。

メモリはLPDDR5X-7500MHzで、最大64GBと大容量です。CPU性能がすごく上がり、メモリもここまで大容量にできるので、困ることはないともいます。

 

 

ストレージ

ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。

ストレージはSSD PCIe 4.0が搭載で、データ転送速度が爆速です。パソコンの起動やアプリの立ち上げもサクサクです。

 

こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。

シーケンシャル速度

オレンジ色・・・リード 青・・・ライト

PCIe 4.0×4  ~約7000MB/秒
 ~約5000MB/秒
PCIe 3.0×4  ~約3000MB/秒
 ~約2000MB/秒
HDD  600MB/秒
 200MB/秒

 

 

セキュリティ

Lenovoのセキュリティ

ThinkShield

ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。

一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。

 

 

Wi-Fi 6Eに対応

対応周波数 速度
IEEE802.11ac
(Wi-Fi 5)
5GHz 6.9Gbps
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6)
2.4/5GHz 9.6Gbps
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6E)
2.4/5/6GHz 9.6Gbps

次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。

Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができます。

仕様書によるとWi-Fi 7にも対応しているようですが、今は選べません。ただし、Wi-Fi 7は2024年から使える予定で(日本ではWi-Fi 7の規格は解禁済みなのですでに利用可能)、Wi-Fi 7のルーターも少しですが販売されているので、早ければ2024年中に選べるのかもしれないですね。

 

 

LTE/5G 対応

LTEは、Quectel EM160R-GL 4G LTE CAT16で、回線速度は下り最大1Gbps、上り最大150Mbpsと速いです。

5GはQuectel RM520N-GL 5G Sub6で、下り最大2.4Gbps、上り最大900Mbpsとかなり速いです。

eSIMにも対応しているので、ネットでeSIMを注文したらすぐに使い始めることができますね。

テザリング用の格安SIMなら、楽天最強プランがおすすめです。筆者はIIJmioでドコモ回線20GB/月 約2000円と、楽天最強プランを契約していますが、月に20GB以上使うのであれば楽天がお得です。

 

 

バッテリー駆動時間

バッテリーは57Whrで、JEITA 3.0測定で動画再生時最大12.8時間のバッテリー駆動時間になっています。作業内容や輝度によっては、十分丸一日持ちそうですね。

 

 

インターフェイス

インターフェイスは豊富ではないですが、SDカードリーダーがない点を除けば、十分だと思います。Thunderbolt 4が2つあるので、ドックやハブがあれば外出時に多くのケーブルを抜き差ししなくて済みます。

Lenovoではいくつかのドックやハブが販売されているので、Lenovoドックのレビューも併せてどうぞ。

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12 右側面

右側面には電源ボタン、マイク/ヘッドフォンジャック、USB 3.2 Gen 1、HDMI、そしてセキュリティキーホールです。

Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 12 左側面

左側面にはUSB 3.2 Gen 1、Thunderbolt 4が2つ、そしてNanoSIMスロットがあり、Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。

  • Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
  • 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
  • PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
  • 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
  • 8K出力にも対応

 

 

サポート・保証

Lenovo サポートと保証

標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)

また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。

  1. 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
  2. オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
  3. 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理

 

 

ライバル機種

現在は1機種をライバル機種としてご紹介します。ThinkPadから続々新機種が出ているので、確認次第追加していきます。

 

ThinkBook 13x Gen 4
Lenovo ThinkBook 13x Gen 4 インテルのレビュー第14世代搭載のクリエイターPCで、最大でCore Ultra 9+メモリ32GBとハイスペックです。2.8K解像度にsRGB 100%の高色域、顔認証や指紋センサーと快適に使えるスペックです。エッジ トゥ エッジデザインでキーボードが筐体の端から端まで広がっているので、コンパクトな筐体ですが十分なキーピッチがありタイピングがしやすいです。1.17㎏と軽く、バッテリー駆動時間は最大約12.1時間と丸一日使えます

CPU Core Ultra 5 125H
Core Ultra 9 185H
メモリ LPDDR5X 最大32GB
ストレージ SSD 最大1TB
ディスプレイ(13.5型) 2.8K(2880×1920) IPS液晶 タッチあり
無線 Wi-Fi 6E
その他 FHD+IRカメラ、指紋センサー、顔認証、Dolby Atmos
寸法(幅×奥行×高さ) 292.9 × 205 × 12.9㎜
重さ 1.17㎏
バッテリー(JEITA 3.0) 最大約12.1時間
価格 15.9万円~

レビュー

 

 

まとめ

良い点

・小型軽量で持ち運びがしやすい
・カーボン素材でおしゃれ・傷もつきにくい
・Evoプラットフォームで性能が高い
・画面比が16:10で、14インチでも15インチ並みの情報が表示される
・新しい機能が多く搭載
・Webカメラが最高800万画素!

良い点が多くありすぎるので、1つ1つ挙げるのが難しいです。簡潔に言わせてもらえば、さすがX1 Carbonです。業界をリードし、今後のハイエンドノートパソコンの指標となるような機種です。

 

残念な点

・多くの点が変わり、長年ThinkPadを使ってきた人には抵抗があるかも

 

 

公式サイト