Lenovo ThinkStation P5のレビュー Xeon w-2400シリーズ搭載ワークステーション

当サイトは広告、アフィリエイトを含みます

Lenovo ワークステーションの、中位モデルのThinkStation P5です。

ほぼミドルタワーサイズの筐体で、意外にスリムなつくりになっており、ローエンドからハイエンドまでスペックを選べます。

SSDを最大7枚も搭載でき、HDDは3台とストレージ容量も十分あり、そこそこの拡張性もあります。個人や法人、どちらにも合う機種です。

 

Lenovoではゴールデンウィークセールを実施中で、年に一度の大型セールです。

土日は週末セールをやっているのでお見逃しなく!

ThinkStation P5のスペック

CPU Xeon w3-2423/2425/2435
Xeon w5-2455/2455X/2465X
Xeon w7-2475X/2495X
メモリ ECCメモリ最大512GB(8スロット4チャンネル)
ストレージ SSD×7+HDD×3
グラフィックス(最大2枚) 内蔵グラフィックス
NVIDIA T400/T1000
NVIDIA RTX A2000/A4000/A4500/A5500/A6000
OS Windows 11 Pro
Windows 11 Pro for Workstation
LAN(最大2つ) ギガビットイーサネット、サーバーアダプターあり
無線 なし、Wi-Fi 6E
PCIスロット Gen 4.0 PCI Express×4 ×3
Gen 4.0 PCI Express×8 ×1
Gen 5.0 PCI Express×16 ×2
オーディオ 1.5W×2
寸法(幅×奥行×高さ) 165 × 453.9 × 445.6mm
重さ 最大約19㎏
電源 750W/900W/1000W 92%
標準保証 1年間/3年間プレミアサポート
価格 41.4万円~

パソコンの頭脳であるCPUはでXeon w-2400シリーズで、w3~w7の8種類から選べ、ハイエンドのXシリーズもあります。CPUは1枚のみ搭載です。

メモリはECCメモリDDR5-4800MHzで、8スロット4チャンネル・最大512GBにできます。これだけの容量があれば、ほとんどの用途で問題ないはずです。

ストレージは最新のSSD PCIe 4.0で、公式サイトのカスタマイズからオンボードに2つのSSDが、フロントストレージトレーに1つ搭載可能そして、3.5インチHDDが3基搭載できます。残りはPCI Expressx4が3つ、PCI Expressx8が1つあり、M.2スロット増設インターフェイスボードを取り付けてSSDの増設ができます。

グラフィックボードはローエンドモデルのNVIDIA T400、ミドルクラスのNVIDIA T1000、RTX A2000、RTX A4000、ハイエンドのA4500、A5500、そしてA6000が搭載でき、最大2枚搭載できます。

基本的にグラボは1枚で事足りればそれが一番ですが、性能が足りない場合や異なる作業を振り分けてやるのであれば使いやすくなるケースもあります。ただし、電力も倍必要になるし、騒音も増えますが、それでも必要であれば2枚刺しも良いと思います。

イーサネットは標準で1つ搭載ですが、サーバーアダプターなど最大2つ搭載可能です。また、無線はWi-Fi 6Eが搭載可能です。

その他のスペックはWindows 11 ProかPro for Workstationが選べ、スピーカーは珍しく標準搭載、キーボードとマウスも標準搭載ですがカスタマイズから「なし」にできます。

本機の最大(?)の特徴は、スペックもそうですが、アストンマーティンとパートナシップを結んでデザインをした筐体で、かなりかっこ良く、最新の熱設計を採用したとのことです。

 

 

公式サイト

旧モデルとの比較

<左/本機種・右/P520>

旧モデルのThinkStation P520との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)

本機種 旧モデル
CPU Xeon w3シリーズ
Xeon w5シリーズ
Xeon w7シリーズ
Xeon W-2100シリーズ
Xeon W-2200シリーズ
メモリ ECCメモリDDR5-4800 最大512GB ECCメモリDDR4-2933 最大512GB
ストレージ  SSD×7+HDD×4 SSD×10+HDD×4
GPU NVIDIA T400/T1000
NVIDIA RTX A2000/S4000/A4500/A5500/A6000
Quadro P400/620/1000/2200
Quadro RTX 4000/5000/6000/8000
Quadro GV100
電源 最大1000W(92%)
重量 最大約19㎏ 最大約24㎏
寸法 165 × 453.9 × 445.6mm 165 x 460 x 440mm

旧モデルのP520は2021年発売なので、2年ぶりの新機種になります。主な違いは以下にまとめてありますが、大きな違いは筐体ですね。本機はアストンマーティンとパートナシップを結んでデザインした機種で、かっこよいです。

主な変更点です。

・CPUが最新のXeonに
・メモリも最新のDDR5に
・SSDが最新のSSD PCIe 4.0に
・GPUが新しいモデルになった
・最大M.2 SSD搭載可能数が減った

 

2年ぶりの新機種なので、性能は爆上がりですね。

 

 

ThinkStation P5の特徴

Lenovo ThinkStation P5<モニターは別売り>

意外に一般的なミドルタワーよりも幅が小さく、スリムな筐体です。

寸法は

幅 165㎜
奥行 453.9㎜
高さ 445.6㎜

で、ミドルタワーと言えば幅が200㎜前後なので、比べると結構スリムです。ただし、一般的なミドルタワーは12㎏くらいですが、本機はワークステーションなので19㎏と重たいです。フルタワーのハイエンドゲーミングPC並みですね。

重たいですが細いので、机上に置いても良いと思います。

 

 

アストンマーティンとのデザインで進化した内部と外観

Lenovo アストンマーティンとパートナーシップを結んで作成したデザイン

イギリスの高級車・アストンマーティンとパートナーシップを結び、本機ThinkStation P5、P7、そしてPXをデザインしました。

アストンマーティンから着想を得て排熱を最適化し、部品の性能を最大限引き出すことのできる熱設計になったそうです。

 

筐体内部はすっきりしており、前面ファン(赤)、背面ファン(黄色)、メモリファン(緑)、そしてフロントストレージ選択時はフレックスベイファンもあります。

 

Lenovo ThinkStation P5 フロントアクセスストレージ

正面から直接M.2 SSDを装着できるフロント アクセス ストレージは、簡単にストレージの拡張を行え、フロントパネル I/OはUSBキットあり/なしも選べます。

もしくは、15-in-1メディアカードリーダーの搭載が可能です。

 

Lenovo ThinkStation P5 正面

前面はメッシュ状で、ファンが1つあります。

 

Lenovo ThinkStation P5 背面

背面は穴がいっぱいです(笑)。

 

Lenovo ThinkStation P5 左側面 <左側面>

Lenovo ThinkStation P5 右側面<右側面>

側面パネルには一切の通気孔がありません。フロントからフレッシュエアーを吸い込み、背面から排出するだけです。

ワークステーションって、どこの会社でもそうですが、サイドパネルに通気孔がないですね。

ちなみに、筐体内部にアクセスするには、左側面にある取っ手を押すと、取っ手が浮き上がってきて、それを引っ張ってサイドパネルを外します。

 

Lenovo ThinkStation P5 天面

天面です。おしゃれなデザインですね。

 

Lenovo ThinkStation P5 筐体内部

Lenovoの上位ワークステーションは「増設や取り換えなどの際に使う場所」に赤い線があるので、一目でどこを触って、どこを触らないようにするか分かります。

拡張性はそこそこで、すべてフルレングス、フルハイト対応です。

・Gen 4.0 PCI Express×4 ×3(HDDなしの場合は空き3つ)
・Gen 4.0 PCI Express×8 ×1
・Gen 5.0 PCI Express×16 ×2(グラボ1枚搭載時の空きは1つ)

 

Lenovo ThinkStation P5 横置き

ちなみに、横置きでも大丈夫です。

 

 

インターフェイス

Lenovo ThinkStation P5 前面インターフェイス

1番から電源、USB 3.2 Gen 2が2つ(オプション)、USB 3.2 Gen 2 Type-Cが2つ(オプション)、ヘッドフォン/マイクジャックになります。このジャックの下はLCD診断ボタンで、エラーがあった場合その下に4桁の数字(S022やP250など)が表示されます。

エラーの意味を確認するには、「Lenovo Workstation Software」で検索できます。

 

Lenovo ThinkStation P5 背面インターフェイス

5番からLINE入力/出力、9-pinシリアルポート(オプション)、RJ45、USB 2.0、USB 2.0、USB 3.2 Gen 2×2 Type-C、そして電源ユニットです。

USB 3.2 Gen 2×2 Type-Cは10Gbpsで最大2レーン動作が可能なので、理論値としては20Gbpsのデータ転送速度になります。

また、グラフィックボードにminiDP 1.4かDP 1.4が3つから4つ搭載しています。

USB 2.0が5個もあって驚きましたが、オプションでUSBを搭載したら悪くないと思います。

 

 

CPU

Xeon w3-2423 Xeon w3-2425 Xeon w3-2435
製造プロセス 10nm
Pコア 6 6 8
Eコア 0 0 0
スレッド 12 12 16
キャッシュ 15MB 15MB 22.5MB
ターボブースト 4.2GHz 4.4GHz 4.5GHz
ターボブーストMax 3.0 4.2GHz 4.4GHz 4.5GHz
ターボブーストMax 2.0 4.0GHz 4.0GHz 4.3GHz
ベースパワー 120W 130W 165W
マックスパワー 144W 156W 198W
Xeon w5-2455 Xeon w5-2455X Xeon w5-2465X
製造プロセス 10nm
Pコア 10 12 16
Eコア 0 0 0
スレッド 20 24 32
キャッシュ 26.25MB 30MB 33.75MB
ターボブースト 4.6GHz 4.6GHz 4.7GHz
ターボブーストMax 3.0 4.6GHz 4.6GHz 4.7GHz
ターボブーストMax 2.0 4.4GHz 4.4GHz 4.5GHz
ベースパワー 175W 200W 200W
マックスパワー 210W 240W 240W
Xeon w7-2475X Xeon w7-2495X
製造プロセス 10nm
Pコア 20 24
Eコア 0 0
スレッド 20 48
キャッシュ 37.5MB 45MB
ターボブースト 4.8GHz 4.8GHz
ターボブーストMax 3.0 4.8GHz 4.8GHz
ターボブーストMax 2.0 4.6GHz 4.6GHz
ベースパワー 225W 225W
マックスパワー 270W 270W

ターボブーストマックステクノロジー3.0対応で、プロセッサーの中の最もパフォーマンスの高いコアを識別し、電力と熱のヘッドルームを利用して、必要に応じてそれらのコアの周波数をあげることにより更なるパフォーマンスを提供します

ターボブーストマックステクノロジー2.0は、ターボブーストテクノロジー利用時にCPUが動作可能なシングルコアの最大周波数になります。

こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアです。

 

スコアの目安

  • 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
  • 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
  • 15000~・ハイエンドPCに搭載される
  • 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い

CPU Markスコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Xeon w7-2495X  62609
Xeon w7-2475X  47746
Xeon w5-2465X  46069
Xeon w5-2465X  ??
Xeon w5-2445  33616
Xeon w3-2435  27126
Xeon w3-2425  ??
Xeon w3-2423  16330

W3-2423は低めの性能ですが、それ以外は高性能ですね。ちなみにCinebench R23はまだスコアの掲載がなく、Geekbench 6はXeon w7-2495のみ記載がありました。

マルチコアは25869、シングルコアは2913と高い性能です。

 

 

グラフィックス

グラフィックボードは最大で2枚搭載できます。

A6000 A5500 A4500 A4000 A2000
アーキテクチャ Ampere
CUDAコア 10752基 10240基 7168基 6144基 3328基
RTコア 84基 80基 56基 48基 26基
Tensorコア 336基 320基 224基 192基 104基
メモリタイプ GDDR6
メモリ容量 48GB 24GB 20GB 16GB 12GB
メモリ帯域幅 768GB/秒 768GB/秒 640GB/秒 448GB/秒 288GB/秒
TDP 300W 230W 200W 140W 70W
T1000 T400
アーキテクチャ Turing
CUDAコア 896基 384基
メモリタイプ GDDR6
メモリ容量 8GB 4GB
メモリ帯域幅 160GB/秒 80GB/秒
TDP 50W 40W

 

また、各グラフィックボードを搭載したら、以下のポートが付いてきます。

NVIDIA T400 mini Display Port 1.4 x3
NVIDIA T1000 mini Display Port 1.4 x4
NVIDIA RTX A2000 mini Display Port 1.4a x4
NVIDIA RTX 4000/A5500/A6000 Display Port 1.4a x4
NVIDIA RTX 4500 Display Port 1.4 x4

Dispalyport 1.4と1.4aはスペックにほぼ同じですが、1.4aはDSC 1.2aが実装されており、HDRを適切にサポートします。

 

 

メモリ

メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。

メモリは最新のDDR5-4800MHzが搭載で、4チャンネル8スロット・最大512GBにできます。ただし、動作はDDR5-4400MHzになります。

メモリはECCメモリで、メモリ上で発生した1ビットエラーの検出に対して訂正が可能なメモリで、「データの破損」が絶対に許されないような金融機関、科学技術計算、サーバー業務などに使用するパソコンに搭載されます。

 

 

ストレージ

ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。

ストレージは最新のSSD PCIe 4.0が搭載でき、3.5インチHDDも搭載できます。公式サイトでは3つのSSDと3つのHDDをカスタマイズから増やせますが、最大7つのSSD+3基のHDDになります。

こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。

シーケンシャル速度

オレンジ色・・・リード 青・・・ライト

PCIe 4.0×4  ~約7000MB/秒
 ~約5000MB/秒
PCIe 3.0×4  ~約3000MB/秒
 ~約2000MB/秒
HDD  600MB/秒
 200MB/秒

 

 

セキュリティ

ThinkShield

ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。

また、シャーシイントルージョンスイッチ、ケーブルロックスロット
(3x7mm)、シャーシカバーキーなどもあります。

 

 

LAN

対応周波数 速度
IEEE802.11ac
(Wi-Fi 5)
5GHz 6.9Gbps
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6)
2.4/5GHz 9.6Gbps
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6E)
2.4/5/6GHz 9.6Gbps

次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。

Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。

また、有線接続は標準でギガビットイーサネットが搭載で、オプションでインテル イーサネット・サーバー・アダプターなどに変更できます。有線は最高で10Gbeで、最大転送速度は1.25GB/sです。

サーバーアダプターは、通常のコンピューターアダプターに比べ、転送速度が速く信頼性が高くなっており、イーサネットも最大2つ搭載できます。

 

 

電源

パソコンの電源の種類

電源は750W、900W、1000Wの3種類があり、すべて電力変換比率は92%(80PLUS Platinum相当)です。

 

 

サポート・保証

Lenovo サポートと保証

 

標準で3年間のプレミアサポート付きで、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)

また、保証は翌営業日オンサイト修理になります。

  • 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理

 

 

まとめ

良い点

・おしゃれな筐体
・超高性能Xeon搭載
・DDR5のECCメモリ搭載
・最新のSSDで、ストレージ容量が大きい
・イーサネットが高品質
・拡張性もそこそこあり

 

残念な点

・特になし

 

おしゃれな筐体で性能も高く 、あれもこれも搭載可能と、文句なしじゃないでしょうか?ストレージをかなり大きくできるので、大規模なデータを扱う人にも使いやすいと思います。

CPUもGPUもローエンドからハイエンドまで選べるので、用途や予算によっても選びやすいと思います。

VRやVFX、解析などにも使え、もちろん業務用映像編集などもしやすい性能です。

 

 

公式サイト