Lenovo Legion Slim 7i Gen 8 16型のレビュー

持ち運びが便利な、ハイエンドゲーミングPCです。

持ち運びがしやすいように設計されているので「アレ？」と思うところもありますが、持ち運びが多い人にとっては、ほど良く軽く高性能なので、使い勝手が高いと思います。

当サイトの評価は、このようになりました。

スペック
コスパ
総合評価

 

Legion Slim 7i Gen 8 16型のスペック

CPU	Core i7-13700H Core i9-13900H
メモリ	最大32GB
ストレージ	SSD ×2
グラフィックス	RTX 4060 RTX 4070
ディスプレイ(16型)	WQXGA IPS 240H 3.2K IPS 165Hz
OS	Windows 11 Home/Pro
無線	Wi-Fi 6E
生体認証	指紋センサー
WEBカメラ	1080p FHD
オーディオ	Nahimicオーディオ
寸法(幅×奥行×高さ)	357.7 × 259.3 × 17.6～19.9mm
重さ	約2㎏
バッテリー 電源	最大約12.6時間 230W
標準保証	1年間
価格	21.8万円～

＜性能評価＞

パソコンの頭脳であるCPUは最新のインテル第13世代で、ハイパフォーマンスモデルのHシリーズが搭載です。Core i7は3万弱の、Core i9は約3.1万のCPU Markスコアがあります！

どちらもかなり高い性能で、ぶっちゃけどちらを選んでもやりたいことが十分できると思います。

メモリはDDR5-5200MHzで、オンボードに16GB、スロットに最大16GB搭載可能です。16GBモデルと32GBモデルがあり、カスタマイズから容量の変更ができます。16GBでも十分ですが、より重たいゲームや動画編集などをする人は、32GBが良いですね。もしくは16GBにして、足りなくなったら自分で増設するという手もあります。

ストレージも最新のSSD PCIe 4.0が搭載で、最大1TB搭載可能です。M.2スロットがもう一つあるので、SSDの増設も可能です。ただし、その場合は自分でやる必要があります。公式サイトでは追加できません。

グラボはミドルハイエンドのRTX 4060か、ハイエンドモデルのRTX 4070が搭載です。RTX 4060はFHD解像度・最高画質でのプレイが視野に、RTX 4070はタイトルや設定によってはQHD解像度でのプレイが視野に入ります。

ただし、通常TGPが140Wのグラボですが、本機搭載のものは115Wに下げられているので、若干低い性能になります。

ディスプレイは高品質で、2.5K解像度のWQXGA、色域はsRGB 100％とWeb用画像編集に向いており、リフレッシュレートは240Hzと超ぬるぬるです。

3.2Kはデジタルシネマ規格のDCI-P3 100％になり、動画編集にも向いています。色域は165Hzと2.5Kよりも低いですが、ぬるぬるプレイできます。

その他のスペックは、OSはWindows 11 HomeかProが選べ、WEBカメラは高画質の1080p FHD、無線は高速で安定した通信ができるWi-Fi 6E、そして、オーディオはゲームサウンドに定評があるNahimicオーディオになります。

ちなみにイーサネットコネクタはないので、有線接続をする場合は、別途アダプタを使用する必要があります。（アマゾンで1000～2000円ほどで販売されています）

電源は230Wとなっており、先述したようにグラボの消費電力を115Wに下げているので、ぎりぎり十分な容量になっています。

バッテリーは99.9Whrと過去に1～2回しか見たことがないほどの大容量で、最大約12.6時間のバッテリー駆動時間になります。

全体的にハイスペックですが、グラボのTGPが下がっている点と、イーサネットコネクタがないのはマイナスポイントですね。

 

 

公式サイト

 

2023年のトレンドと比較

2023年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。（〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし）

13世代CPU	DDR5	PCIe 4.0	アスペクト比16:10
〇	〇	〇	〇
Wi-Fi 6E	sRGB 100％以上	輝度300nit以上	1080P Webカメラ
〇	〇	〇	〇
Thunderbolt 4	生体認証
〇	〇

上位モデルの7iシリーズなので当たり前ですが、上記項目をすべて満たしていますね。

 

 

旧モデルとの比較

＜左/本機種・右/旧モデル＞

旧モデルのLegion Slim 770iとの比較です。上の画像だと旧モデルがかなり大きく見えますが、同じサイズです。（表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値）

	本機種	Slim 770i
CPU	Core i7-13700H Core i9-13900H	Core i5-12500H Core i7-12700H Core i9-12900H
メモリ	DDR5-5200 32GB	DDR5-4800 24GB
ストレージ	SSD×2（PCIe 4.0）
GPU	RTX 4060 RTX 4070	RTX 3050 Ti RTX 3060 RTX 3070
ディスプレイ	WQXGA/3.2K	WUXGA/WQXGA
無線	Wi-Fi 6E	Wi-Fi 6/6E
電源	230W	170/230W
重量	2㎏	2.23㎏
寸法	357.7 × 259.3 × 17.6～19.9㎜	357.7 × 260 × 16.9～21㎜

全体的にスペックが上がっており、排気口の大きさも大きくなっています。筐体自体は同じもののようですが、底面カバーのデザインが変わっていますね。

主な変更点です。

・CPUがインテル第13世代に
・メモリの周波数が5200MHzに上がった
・グラボがRTX 40シリーズに
・3.2K解像度とDCI-P3 100％が追加
・リフレッシュレート240Hzが追加
・電源が230Wのみに
・筐体の寸法が若干変わった
・排気口の面積が増えた
・230gも軽くなった
・カラーがストームグレーのみになった

 

こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。

 

 

Legion Slim 7i Gen 8 16型の特徴

サンドブラスト加工がされ、アルミニウムとマグネシウムを使用したオールメタルボディで、高級感もあり、かっこいいですね。

 

「Slim」と言うだけあって筐体はスリムで、

・幅 357.7㎜
・奥行 259.3㎜
・高さ 17.6～19.9㎜

になります。ゲーミングPC特有の筐体で、背面部分が大きいので奥行は普通ですが、16インチでこのサイズは、普段使いモデルやビジネスモデル並のサイズです。

重さは2㎏とゲーミングPCにしてはかなり軽く、持ち運びやすさを意識した機種です。

 

最も薄いモデルは厚さがたったの17.6㎜で、一般的な普段使いモデルよりも薄いですね。

 

筐体はゼロバンプヒンジを採用し、ディスプレイが筐体の上に乗っかっているような感じになっています。このように、ディスプレイを180度開くことができるので、画面をシェアしたりするときに便利です。

 

 

冷却システムはColdFront 5.0

Legion Coldfront 5.0の冷却システムに加え、2基の液晶ポリマーファンに、CPUとGPUを繋ぐ大きなハイブリット銅ヒートパイプで熱を拡散・放熱し、静音性も上がっています。

 

底面カバーの通気孔は、旧モデルからかなり大きくなりました。

 

左右と背面にも排気口があり、左右の排気口は側面部分のみにあったものが、側面と底面の間にもう1か所排気口が作られています。

 

 

Lenovo AI Engine＋

革新的なLA-2Q AIチップを搭載したLenovo Legion AI Engine+は、主要コンポーネントにわたる多数のシステムセンサーをリアルタイムで活用し、Smart Engineを導入してゲームを最適化し、高く安定したのFPSを実現します。さらに、学習機能により最適化され、システムが最大限のパフォーマンスを発揮します。

また、Lenovo VantageでPCのセッティングをカスタマイズをして、オーバークロック制御やAIパフォーマンスチューニングなどにより、より快適にゲームができます。

 

 

高画質Webカメラ

Webカメラは高画質FHD 1080pで、電子式プライバシーシャッター付き、Tobii HORIZONもあります。Tobiiはウェブカメラを通して、自然な頭の動きを検出し追跡します。さらに、Tobii Awareは、自動調光、スクリーンタイムのトラッキング、プライバシー通知、オートロックなどのスマートな機能により、セキュリティ、プライバシー、生産性を向上させます。

Tobiiは、こちらの動画が分かりやすいので、どうぞ。

ハーマンカードン製の2Wスピーカーが2つ搭載しており、オーディオはゲームサウンドに定評があるNahimicオーディオです。

 

 

キーボード

キーボードはLegion Truestrikeゲーミングキーボードで、84キー、キーストロークは1.5㎜、タッチパッドは75×120㎜と大きく、RGBバックライト付きです。

Legion Truestrikeは、ソフトランディングスイッチがあり、打鍵感が良く入力がしやすいです。（パンタグラフ内にあるラバードームの形状を変え、深いキーストロークがあるような感触が得られる仕様です）。

矢印キーもフルサイズで、操作性が高いキーボードです。

 

 

CPU

	Core i7-13700H	Core i9-13900H
製造プロセス	10nm	10nm
Pコア	6	6
Eコア	8	8
スレッド	20	20
キャッシュ	24MB	24MB
ターボブースト	5.0GHz	5.4GHz
Pコア最大周波数	5.0GHz	5.4GHz
Eコア最大周波数	3.7GHz	4.1GHz
GPU実行ユニット	96EU	96EU
ベースパワー	45W	45W
マックスパワー	115W	115W

CPUはPコア（Performance Core）とEコア（Efficient Core）の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。

また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。

Core i7とi9はクロック数が違うだけで、他はすべて同じですね。

こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアです。

スコアの目安

• 7000～・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
• 10000～・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
• 15000～・ハイエンドPCに搭載される
• 18000～ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い

 

 

グラフィックス

	RTX 4070 Laptop	RTX 4060 Laptop
コードネーム	Ada Lovelace
CUDAコア	4608基	3072基
RTコア	36基	24基
Tensorコア	144基	96基
ブーストクロック	2175MHz	2370MHz
メモリタイプ	GDDR6
メモリ容量	8GB	8GB
メモリバス幅	128ビット	128ビット
メモリ帯域幅	256GB/s	256GB/s
TGP	115W

グラフィックスは上からハイエンド～ミドルクラスと別れており、予算やゲームによってスペックを変更できます。

RTX 40シリーズは最新のモデルで、レイトレーシング対応でより美しい描写が可能です。また、AIを搭載したDLSS 3にも対応しているので、ゲームによってはfpsを落とさずに画質をアップできます。

＜レイトレーシングOFF＞

＜レイトレーシングON＞

＜DLSS ONとOFFの比較・NVIDIA公式より＞

ただし、先述しましたが、TGPが通常の140Wから115Wに落としているので、若干性能も落ちます。

こちらはDirectX 11で動作するFire Strikeと、DX12で動作するWQHD(2K/2560×1440)向けのTime Spyです。

 

ゲームのベンチマーク

スコアの単位はfps（1秒間に更新されるコマ数）で、60以上が「快適」にプレイできる目安です。スペックや状況により数値は変動するので、参考値として見てください。また、画質は特別表記がなければ最高画質です。

 

 

 

 

ディスプレイ

ディスプレイは2種類あり、どちらも光沢なし、ブルーライト軽減パネルを採用、コントラスト比は1200:1、そしてDolby Visionに対応です。

・WQXGA（2560×1600ドット） IPS・sRGB 100％・500ニト、リフレッシュレートは240Hz

・3.2K（3200×2000ドット） IPS・DCI-P3 100％・430ニト、リフレッシュレートは165Hz

3.2Kディスプレイの方がクリエイターに向いていますが、ワンランク上のプレイをしたい場合は、240Hzのディスプレイがおすすめです。

どちらも高精細なので、今までのFHDじゃぼやけて見えた部分も、はっきり見やすくなりますね。しかも、画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、16インチでも17インチ並みの情報が表示されます。

今まで見えなかった敵も、見えやすくなります。

 

 

メモリ

メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの（大きな）データを処理しやすくなります。

搭載メモリはDDR5-5200MHzで、16GBモデル（オンボード 16GB+スロット空）か、32GBモデル（オンボード 16GB+スロット16GB）があります。

32GBにしてもたったの＋8000円なので、クリエイティブワークをする人は32GBモデルが良いかもしれません。

 

 

ストレージ

ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。

搭載ストレージはSSD PCIe 4.0×4で、公式サイトで最大1TBにできます。PCIe 4.0に対応したM.2スロットがもう一つあるので、こちらも自分で増設できます。

こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。

 

 

Wi-Fi 6Eに対応

	対応周波数	速度
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5)	5GHz	6.9Gbps
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6)	2.4/5GHz	9.6Gbps
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E)	2.4/5/6GHz	9.6Gbps

次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40％最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。

Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended（エクステンディット）版で、6GHz帯（高速通信）での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。

 

 

電源

電源は、ギリギリと言えばギリギリの230Wになります。CPUとGPUをフルパワーで同時にフルパワーで使うことなんてほぼないですが、

・CPU（最大115W）＋GPU（最大115W）

で、ちょうど230Wになります。もうちょっと大きな電源でもよかったと思いますが、スリムな筐体なので、発熱の関係上こうしたのかなと思います。

 

 

インターフェイス

インターフェイスは品質も高く、USBの数も多いしThunderbolt 4もある、そしてSDカードリーダーもあるので、一眼を使うような写真家にも使いやすいのですが、イーサネットコネクタがありません（笑）。なんででしょうね？

下位モデルのLegion Slim 5シリーズにはあるんですが・・・。

と言うことで、自宅ではもちろん有線接続をしてプレイをすると思うので、アダプタを購入した方が良いです。

 

背面にはUSB 3.2 Gen 2が3つ、HDMI、そして電源コネクタになります。

 

右側面には4 in 1 メディアカードリーダーと、電子式プライバシーシャッターのボタンになります。

 

左側面には、Thunderbolt 4とUSB 3.2 Gen 2 Type-C、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになり、Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。

• Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
• 最大データ転送速度40GB/秒が2ｍのケーブルでも出る（以前は0.8ｍまで）
• PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
• 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
• 8K出力にも対応

 

 

サポート・保証

標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。

引き取り修理とは、家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。

 

また、標準で、「ゲーミングに特化した24時間サポート・Legion Ultimate Support」が付いています。このサポートの特徴は、パソコンの不具合の対処法や使い方の事だけじゃなく、最新ゲームの推奨環境やゲームを快適にプレイする上での知識・どうやったら勝てるかなども提供しています。

しかも、スタッフはゲームに精通した熟練プレイヤーなので、専門用語（ゲーム用語）やコミュニティ用語での会話が可能です！

このサポートのおかげで、初心者でも気軽にゲーミングPCデビューできるようになりましたね。

 

 

ライバル機種

 

Legion Slim 5i Gen 8

下位モデルですが、イーサネットもあり、全体的なスペックが高い機種です。スペック自体は似ていますが、より低いスペックも選べるので、重たいタイトルをしない人は検討の価値があります

CPU	Core i5-13420H Core i5-13500H Core i7-13700H
メモリ	32GB
ストレージ	SSD 最大1TB（M.2スロット空き1つあり）
グラフィックス	RTX 3050/4050 RTX 4060 RTX 4070
ディスプレイ(14型)	WQXGA IPS 165Hz/240Hz
通信	Wi-Fi 6E、1ギガビットイーサネット
WEBカメラ	FHD
カラー	ストームグレー、ミスティグレー
バッテリー 電源	最大約8時間 170W/230W
価格	17.4万円～

レビュー

 

 Legion Pro 7i Gen 8 16

上位モデルで、もちろんイーサネットもあり、価格を見てわかるようにガチ勢向けの機種です。現行最高峰のスペックです

CPU	Core i9-13900HX
メモリ	32GB
ストレージ	SSD×2
グラフィックス	RTX 4080 Laptop RTX 4090 Laptop
ディスプレイ(16型)	WQXGA IPS液晶 240Hz
通信	インテルKiller Wi-Fi 6E/Wi-Fi 6、1Gbe
重さ	約2.8㎏
バッテリー 電源	最大約5.5時間 330W
価格	39.5万円～

レビュー

 

 

まとめ

総合評価

軽さとコンパクトさを追求した機種なので、じゃっかん「あれ？」と思う個所もありますが、持ち運び用のゲーミングPCとしては、十分なスペックだと思います。

持ち運びをしない人ならデスクトップだったり、時々しか持ち運ばない人は上位モデルのLegion Proシリーズを選ぶと思うので、絶妙なスペックだと思います。

 

 

公式サイト